旅人とわんこの日々 タイトル

旅人とわんこの日々
世田谷編 2006年Page1

世田谷(砧公園)での犬との生活をつづった写真日記です。

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1、人生初の初日の出ツーリング・前編(2006年1月1日)

天気予報のイメージ(*イラスト:あーやんさん)

(*イラスト:あーやんさん 【イラストAC】

昨年の暮れに時間を戻そう。今年(2005年)の元旦に行うはずだった御前崎への初日の出ツーリングは、大晦日に降った大雪のために中止とせざるを得なかった。来年(2006年)は行けるだろうか。年末になってからは、毎日天気の週間予報をチェックしていた。

見ている限り、ずっと正月前後は晴れの予想で変わらない。どうやら今回は大丈夫そうだ。と安心していたのだが、30日になってみると、元旦の午前中だけ曇りの予報に変わっていた。

でも、一時的な曇りなので、雨とか雪になる感じではない。天候的にはツーリングを行うのには問題なさそうだが・・・。一番の目的が初日の出を見ることなので、曇りは曇りでもどの程度の曇りなのか、とても気になる。

ちゃんと初日の出は見られるのだろうか。わざわざ深夜に起きて初日の出を見に出かけるのだから、見られないとガッカリ感も半端ないしな・・・。元旦の朝だけ曇りの予報というのも結構悩ましいものだ。

地理院の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

初日の出を見に行く場所は、静岡県の御前崎。一昨年、友人が決めた目的地だが、さすがに遠いので、もっと近い伊豆半島付近にしない?もしかして曇りかもしれないし・・・。と提案してみるものの、昨年行けなかったのが悔しいようで、何が何でも御前崎に行くんだ!と首を縦に振ってくれなかった。困ったことになかなか頑固な性格をしている。でも、そういうこだわりは好きだ。

問題は、気温の低い早朝にバイクを長距離走らせなければならないこと。路面は凍結していないだろうか。体が冷えて凍傷とかにならないだろうか。冬の夜中にバイクで長距離を走ったことがないので、それが一番の懸念だった。

当日は、できる範囲で防寒対策をし、心頭滅却すれば・・・ってなやつで、心の気合を入れ、旅人としての好奇心を燃やしながら慎重に走った。

心頭滅却のイメージ(*イラスト:あっぷるんさん)

(*イラスト:あっぷるんさん 【イラストAC】

走ってみると、寒いには寒いのだが、路面が凍結するほどでもないし、冷たさで手がしびれるようなこともなく、思ったほど辛い道中ではなかった。

どうやら南から湿った暖かい空気が流れ込んでいるようで、この時期にしては気温が少し暖かくなったようだ。なんだ。全然余裕ではないか・・・。心配して損した。

とはいえ、この暖かさをもたらしてくれている湿った空気により、空には雲がかかっている。空が明るくなるにつれて、それが空一面を覆うほど分厚いとわかると、今度は絶望的な気分になってきた。

初日の出前の御前崎灯台の写真
初日の出前の御前崎灯台

日の出時間前に御前崎の岬部分に到着した。駐車場は満車で、岬付近には溢れた車が止まっていたが、バイクなのでこういう時は融通が利く。広場の隅に停めることにした。

バイクを停め、改めて空を見上げると、上空や東の空には雲がびっしり。これ、今日中に太陽を見られるの?というぐらい、雲が分厚く空を覆っている。なかなか絶望的な展開だな・・・。

御前崎の碑の写真
御前崎の碑の前で

日の出時間になった。防波堤に上がってみたが、東の空は厚い雲で覆われていて、太陽が出てくる余地はなさそう・・・。予報が濃い曇りだったので、すっきりとした初日の出はあまり期待していなかったが、ここまで強烈に曇っているとは・・・、予定外。

寒い中、海風に吹かれながらずっと待ち続けるのもしんどい。退屈しのぎに、みんなで「静岡県最南端の碑」の前で記念撮影。って、伊豆半島の最南端、石廊崎よりも御前崎の方が南だったんだ・・・。これは知らなかった。また、一つ旅の雑学が増えた。

それにしても・・・、通りがかりの女性に写真を撮ってもらったのだが、後で見たら写真がブレていた。バイク乗りは見た目からして印象が悪い。ほんと、様々な場面で損をする・・・。

雲の中からの日の出の写真
雲の中からの日の出

しばらく待っていたが、太陽が一向に出てこない。ずっとここで待っていても寒いし、もう諦めて御前崎を去るか・・・と、バイクのところへ戻ったら、少し薄くなった雲の間から太陽が覗いた。

お世辞にも素晴らしい初日の出とは言えないが、寒い中を遥々ここまでやって来て、ずっと仲間と待ち続けたことが全てを神聖化するといった感じで、とても感動的な日の出だと感じた。

バイク仲間との写真
バイク仲間と

この感動を写真に収めておこう。人生初の初日の出ツーリングの記念なので、バイクが写っていなければ意味がない。バイクを移動し、並べて朝日と記念写真を撮ろうとしていたら、また太陽が雲の中に・・・。

こりゃ~またしばらく出てきそうにないぞ。このままの状態で待っているのも、目立ってしょうがない。仕方ない。太陽がない状態で我慢しよう・・・。

これにて今回のツーリングの一番のノルマを達成。出発前は、太陽が昇るのをわざわざ見に行くなんて・・・と、内心では否定的に思う部分もあったが、初日の出を見ることがこんなに感動的なものだとは思わなかった。こういうのを食わず嫌いというのだろう。新たに旅の・・・、いや、人生の楽しみ方のレパートリーが増えた気がする。

とはいえ、肝心の初日の出がもっとスカッとした感じで見ることができていれば、もっとよかったな・・・。その部分に関してはちょっと不満が残る。

不満を感じるイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

せっかく世田谷から御前崎までやって来たというのに、いい日の出が見られなかった。わざわざ寒い中をこんな遠くまで来るんじゃなかった・・・。この初日の出ツーリングは失敗だ・・・と思うか、思わないかはその人次第。

旅を楽しむコツは、「もし・・・」とか、「だったら・・・」と強く思わないこと。どう頑張っても人間は自然の理には逆らえない。旅に出たという事実には変わりがないのだから、その時の状況を存分に楽しめばいい。そして「来年こそは晴れた日の出を見に行くぞ!」といった次の旅への原動力にしてしまえばいい。

人生初の初日の出ツーリングは雲っていて初日の出がよく見えなかった・・・というのも、きっと何年か後に振り返ってみれば、いい思い出に変わっていることだろう。海外でスリや置き引きに遭って大変な思いをしたことも、今ではいい思い出になっていることだし・・・。

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