旅人とわんこの日々
世田谷編 2004年(5/7)
ワンコのいる日常と旅についてつづった写真ブログです。
6、白黒写真(2004年6月)

せっかくチワワの故郷であるメキシコに行ってきたので、チワワのポーちゃんに土産話をしてやりたいと思っていたのだが、メキシコ旅行後は、就職活動や屋久島ツーリングとバタバタとした生活をしていて、なかなか会う機会がなかった。
屋久島ツーリングから帰った3日後、妹が犬を連れてやって来た。久しぶりの再会となる。半年ぶりになるだろうか。
もう生後1年以上経ったが、相変わらずちっこいまま。もっと大きくなってもいいのでは・・・などと、余計な心配をしてしまったりするが、体毛の方はしっかりと伸びたようで、また一段と可愛らしくなっていた。
カメラの中には屋久島ツーリングの時に入れていた白黒のフィルムが入ったまま。さっさと現像に出してしまうためにも、今日は白黒フィルムで撮影してみた。
どんな感じで映っているのだろう。白黒だと普通のネガよりも現像のときの楽しみが大きい。その分、料金も少し高くつくけど・・・。


ビアデッドコリーのチャーミーの場合は、元々毛色が白黒なので、白黒の写真でもあまり変わった感じはしない。
でも、陰影とか、カラーのない静寂な感じとか、白黒にしてみるといつもと違った味わい深さを感じる・・・こともある。まあそのへんは腕次第ってことになるのかな。
7、異国情緒(2004年9月)

(*イラスト:ソーガさん 【イラストAC】)
気がつけば九月。異常に暑く、異常に台風の多かった夏が終わるとともに、オリンピック発祥の地で行われることで注目を集めたアテネオリンピックが、無事に閉会した。
今回のオリンピックでは、男子体操に女子マラソン、競泳、柔道やレスリングなどで、合計16個もの金メダルを日本選手団が獲得した。テレビでは連日その話題が取り上げられ、人と話しても自然とオリンピックの話題になることが多く、日本中がオリンピック一色といった感じで、とても盛り上がった大会になった。
オリンピックの開催国ギリシャとの時差は6時間。現地の午後6時は、日本時間では午前0時となる。盛り上がる種目の決勝は、現地のゴールデンタイムに行われるものが多く、ライブ中継を見ようと思うなら深夜の観戦になってしまう。
これが日中とか、真夜中とかなら諦めもつくが、ちょっと我慢して起きていれば見れてしまうというのが厄介で、ここのところ睡眠が不規則になりがちだった。
オリンピックが終わったことで、睡眠不足気味の日々から解放され、そして夏が終わったので、朝晩には通学の学生の姿を多く見かけるようになり、色んな意味でありふれた日常が戻ってきた感じがする。

(*イラスト:iccoさん 【イラストAC】)
普段の日常が戻ってきたとはいえ、9月に入ってからは浅間山が噴火したり、三重の方で大きな地震が起きたりと、今年は災害が多いのが気になる。
海外に目を向けると、3月にはスペインのマドリードで、同時多発列車爆破テロ事件が起きたり、日本人ボランティアがイラクで人質になったりと、なかなかきな臭い。オリンピックの話題に隠れているが、今年は暗いニュースが多いような気がする。

で、今回はオリンピックロスと、ちょっと海外旅行を懐かしんで、異国情緒を感じるワンコ写真を紹介することにしよう。

イスラム教徒の女性などが宗教的な理由で頭に被るベールのことをヒジャブという。
こういった習慣はイスラム教だけではなかったり、国や地域によってその重要度や意味合いが異なり、お洒落の手段になっていることもある。などと、海外見聞が多い旅人らしく、ちょっと知識をひけらかしてみたりする。
我が家のワンコも女の子なので、これで立派なヒジャブ女子。毛布を頭に巻いただけなのだが、けっこう似合っているように思う。

我が家のチャーミーは垂直に座ることが得意だ。下が柔らかい場所ならそこそこ長い時間この体勢でいられる。
腕を交差させるような仕草はまるでコサックダンスをしているようにみえる。そのまま踊りだしたら楽しいのだが、さすがにそこまではできない。
そしてこの応用版というか、「おんぶ」と言うと、人間の背中におんぶすることもできる。おんぶ犬。滅多にいないので、実は近所ではちょっと評判になっていたりする。
8、バイクのサンデーレース(2004年10月24日)

(*イラスト:hozuさん 【イラストAC】)
一般的には、学生時代には時間はあるけどお金がない。社会人になると、その逆になる。その為、学生時代の余暇の過ごし方と、社会人になってからの余暇の過ごし方は、重きを置くポイントが異なったものとなる。
旅に当てはめると、学生時代の旅は、少ない予算でいかに楽しく、実りある旅をすることが重要になる。体力や時間が必要になるが、激安の青春18きっぷを使用したり、夜行バスを利用したり、ユースホステルなどの安い宿を探したり、頼み込んで親戚や友人の家に宿泊したり、場合によって野宿・・・といった感じになる。
まさに学生の旅はバックパッカー(貧乏旅行)にあり、といった感じなのだが、未だにテントを使い、野宿主体で旅をしている私は、まだ学生気分を卒業できていないのかもしれない・・・。

(*イラスト:pidepideさん 【イラストAC】)
社会人になると、お金は何とか都合がつくけど、まとまって休むことができなくなる。休めても人と休みが重なる盆正月では、平常時の何倍もの料金を払って旅に出なければならない。
高いからと何もしないのも時間の無駄。時や経験はお金で買うものとばかりに、効率を重視して旅をする人もいる。
かと思えば、仕事で疲れているのにわざわざ体力を削るような旅はしたくないと、温泉旅行やリゾート地でのんびりするような旅をする人もいる。

(*イラスト:nicosoluさん 【イラストAC】)
時は金なりというけど、両方あればどれだけうれしいことか。更に健康も付け加われば、何も言うことはない。でも、それらを全部手に入れるのはなかなか難しいし、手に入れてみたら逆に色々と詰まらなくなりそうでもある。

金回りのよくなった社会人になると、学生時代には到底できなかった漫画やDVDの全巻買いとか、趣味に百万円かけるとか、贅沢なお金の使い方、いわゆる大人買いをする人もいる。
大学でバイクサークルに所属していた私の周りでは、学生時代にはバイクを維持するのが精一杯だったのが、お金に余裕ができ、中古バイクから新車に買い替えたり、カスタムにお金をかけたり、中学生や高校時代に憧れた旧車を購入して、いじっている人もいる。

中にはレーシングタイプのバイクを購入し、日々のストレス発散を兼ねて、休みの日にサーキット走行を行う人もいる。そしてその延長で、本格的にバイクのレース活動を始めている人もいる。
昨年、よく一緒にツーリングに行く友人が、排気ガス規制で絶滅危惧種となっている2ストロークエンジン搭載のレーシングレプリカ、NSR250Rを中古で購入した。
ちなみに、レースの世界でも2年前の2002年を最後に2ストは廃止となり、この時代は4ストの600㏄が人気となっていた。
2ストには今乗らないと乗れなくなるとはいえ、素人にはパワーの扱いが難しいし、走るとオイルをまき散らして汚いし、臭い。ライディングポジションも極端に前傾姿勢になるので、長距離ツーリングを行うと腰が痛くなる。
燃費も非常に悪いし、レース向きなのでしょうがないとはいえ、値段の割にはバイクに高級感はなく、まるでプラモデルのような質感。過去の遺物といった感じで、純レース用のSP(スペシャルモデル)以外は中古車でもそんなに値段は高騰していなく、20~25万も出せば程度のいいものを買うことができた。

話を戻すと、購入したNSRをツーリングに使い、箱根などを走っていたが、何か物足りない。それに長時間乗ると腰が痛くなり、箱根に行くのもしんどい。
どうせならサーキットを走ってみようではないか。間もなく30才。そこそこお金には困っていないし、今しかできないことをしよう。よしっ、20代最後の挑戦だ。と、今年から後輩Kとともにサーキットに行くようになった。
普通の人はそういった発想にはまずならないけど、大学のバイクサークルに所属していたので、サーキットでの走行を趣味にしている仲間も多いし、友人や知り合いに全日本ロードレース選手権に出場している人も何人かいるので、我々の間ではサーキットの走行は垣根が低かったりする。
で、関東近辺のミニサーキットを色々と訪れると、利用者を対象にしたレースを開催しているサーキットがいくつかあった。せっかくサーキットを走っているのだから、レースに出てみようではないか。と、その中でも一番レギュレーションが緩く、誰でも参加できるようなレースに出てみることにした。

レースが行われるのは、山梨県韮崎市にあるスポーツランドやまなし。1周1キロほどのミニサーキットになる。
レースは250㏄限定の4時間耐久レース。純粋に普段からサーキットを利用しているお客様にレースを楽しんでもらおうといった感じのサンデーレースで、レース用のライセンスは必要なく、ハンデとか、ローカルルール満載。
コンマ1秒を争うといったシビアなレースではないので、初レースの我々でも何とかなりそうだ。
問題は250㏄のレースなのだが、4ストロークエンジン限定ということ。友人が所有している2ストのNSRでは出走することができない。

バイクサークルの仲間に声をかけてみると、後輩Sの家の倉庫にHONDA GB250クラブマンが眠っていた。ただ、一応動くけど、ほとんど動かしていないので、ちゃんと整備しないとレースは無理じゃないの?とのこと。
クラブマンは1960年代風のレトロなカフェレーサータイプのバイクで、エンジン、足回り、全てにおいてレースをするには不向きなバイクだが、贅沢は言えない。
とりあえず今回はこれで出走してみよう。ちゃんと整備された状態で返すのを交換条件に借り、オイル交換やキャブの掃除などを行い、ちゃんと動く状態に整備した。そして、参加することに意義があるといった感じで、出場の申し込みを行った。

で、今日はその手伝いにやってきた。レース出走するのは友人と後輩Kの2人。この2人で交代しながら4時間のレースを走る。
二人ともバイクのレースに出場するのは今回が初めて。レースが始まる前からガチガチに緊張し、実際にレースが始まってもペースが上がらなかった。二回目のライダー交換ぐらいから雰囲気に慣れたのか、徐々にペースが安定してきて、少しずつ順位が上がっていった。
最終的には、大きな時間ロスとなる転倒がなかったおかげで、中段の後ろで無事にゴール。何とか無事に4時間走り切ることができた。
見た目の順位は悪かったが、単気筒+空冷のハンデが25周もらえたので、表彰式で発表された総合順位だと、なんと8位。8位ってことはオリンピックだったら入賞ではないか。
初レースにしていきなり入賞というのは上々の成績になるが、あくまでもそれはイベント的なおまけであって、遅かったことには変わりない・・・。

ツーリング中みたい・・・
レースが始まる前は、「順位はどうでもいい」「完走できればいい」と言っていた友人たちだったが、実際に完走してみると、もっと早く走れたと、自分の経験不足と遅いバイクに不満が爆発。
とりわけ直線でガンガン抜かれたのが悔しかったようで、バイクが速ければもっとできたのに・・・。と悔しさをにじませていた。

で、サーキットからの帰り道では、中古でいいバイクを見つけて、来年はそれでレースに出よう。もっと練習に来よう。目指すは表彰台。と、8位入賞で気をよくしたのか、夢が大きく広がっていた。
本人たちは気が付いていないようだが、一歩引いた位置にいる私からすると、開けてはいけないパンドラの箱を開いてしまったという嫌な予感しかしない・・・。
世田谷編 2004年(5/7) 2004年(6/7)につづく