旅人とわんこの日々 タイトル

旅人とわんこの日々
世田谷編 2006年Page5

世田谷(砧公園)での犬との生活をつづった写真日記です。

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9、ゴミ捨て場の恐怖(2006年3月下旬)

引っ越しのイメージ(*イラスト:そろもんさん)

(*イラスト:そろもんさん 【イラストAC】

年度末の3月下旬になった。年度末といえば人の移動が多い時期。東京の場合は特に人の出入りが激しい。近所にある社宅のアパートも、この時期にはちょくちょく引越しのトラックが横付けされ、荷物の出し入れを行っている。

引越しや人の移動が多いということは、家庭ゴミが多いのもこの時期の特徴になる。犬の散歩をしていると、道路隅のゴミ捨て場に置かれたゴミに自然と目がいくもので、ここはゴミが普段より多いから引越しする人がいるのかな・・・などと、歩きながら思ったりするものである。

特に本や雑誌、古着などの資源ごみが多いと、ゴミを出した住民は学生から社会人へ生活環境が変わるのだろうか、それとも引越しをするのだろうかと、色々と想像してしまう。

ゴミ捨て場のイメージ(*イラスト:ニッキーさん)

(*イラスト:ニッキーさん 【イラストAC】

ゴミといえば、困るのがカラス。砧公園などの緑が多い公園は、レクリエーションや犬の散歩に最適ではあるが、カラスの巣になってしまうといったデメリットもある。

カラスの好物は人間の出したゴミ。公園周辺では、燃えるゴミの日になると、「いいゴミはないか・・・」「あされそうなゴミはないか・・・」と、カラスたちが電信柱の上などで物色している。

ゴミ捨て場のイメージ(*イラスト:acworksさん)

(*イラスト:acworksさん 【イラストAC】

散歩の途中、チャーミーとともにゴミをあさろうとしているカラスを追っ払うことも時々あるが、カラスも慣れたもので、通り過ぎた後に振り返ると、もう戻っていたりすることもある。ずっとゴミ捨て場に張り付いているわけにもいかないので、気休めにしかなっていない。

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で、今日の散歩ではそのゴミ捨て場で事件が起きた。散歩コースの途中にあるゴミ捨て場なのだが、いつもと同じように通り過ぎようとしたとき、チャーミーの歩みが止まり、普段は大人しいチャーミーが低い姿勢になり、尋常ではない吠え方をした。

怖がって吠える犬のイメージ(*イラスト:コボネさん)

(*イラスト:コボネさん 【イラストAC】

いったい何事だ。他の犬や、野良猫を見てもこういった吠え方はしない。カラスにしては大袈裟だ・・・。ゴミの方を見ると、何かがこっちを見ている。「なっ、なっ、なんなんだ。あれは・・・。」私も一瞬固まり、声を上げそうになった。

なんとそこにあったのは、鹿の首。よくお金持ちの家なんかに壁にかかっている剥製になったやつだ。

鹿の剥製のイメージ(*イラスト:acworksさん)

(*イラスト:acworksさん 【イラストAC】

それが紙袋に入れられているのだが、完全に入りきらなく、袋の上から首だけのぞいているから怖い。いや、怖いというものではない。不意を突かれたので、恐怖そのもの。ホラーというやつだ。

通りがかっただけだったからまだいいが、もし自分がここに寝ぼけながらゴミを捨てに来ていたらと思うと、ぞっとする。きっと腰を抜かしていたに違いない。

ひどく驚くイメージ(*イラスト:poosanさん)

(*イラスト:poosanさん 【イラストAC】

まったく、こんな状態で鹿の首を捨てるなと言いたい。そもそもこんな悪趣味なものを部屋に飾るな。心臓をバクバクさせながら思うのだった。

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犬との散歩は、飼い主と犬との共同作業になる。お互いの存在を感じながら一緒に歩くことで、同じ時間を共有でき、同じ景色を見ることができ、同じ場面を体験でき、お互いの信頼や絆も強くなる。犬を飼ううえで、散歩は一番大事な作業になる。

よく犬は飼い主に似るというが、散歩中の飼い主の態度から社交性などを学んでいたりと、散歩の中の行動が大きく影響していると思う。

犬の散歩のイメージ(*イラスト:きなこもちさん)

(*イラスト:きなこもちさん 【イラストAC】

実際、しばらくはチャーミーも私もゴミ収集の日にそのゴミ捨て場の横を通るときは、また変なものが置いていないだろうか・・・と、同じように警戒する視線をそのゴミ捨て場に送っていた。

やっぱり楽しいこと、怖いこと、そういったことは人間も犬も一緒で、一緒に行動していたら仕草も同じになってしまうようだ。

10、桜の木の下(2006年3月下旬) 

砧公園の桜の写真
砧公園の桜(ファミリーパーク)

一気に気温が暖かくなり、梅が終わったと思ったらすぐに桜が咲き始めた。今年の3月はせわしなく感じる。

よく犬の散歩に訪れている砧公園は、桜の花見スポットとして東京ではよく知られた存在で、桜の開花時期になると万単位の花見客が訪れる。特に日曜日の混雑は凄く、駐車場に長い列ができるのは当然として、用賀駅から公園まで続くいらか道を、列を成すように花見客が歩いていて驚く。

砧公園の桜の写真
砧公園の桜(ファミリーパーク)

砧公園の売りは、広々とした芝生のある園内に大きな桜の木がたくさんあること。元々はゴルフコースだったので、桜の木が生えているゴルフ場といった表現が最適だろう。

広大な芝生があるので、場所を選ばなければ昼前にふらっと訪れ、芝生の上で花見ができる。収容力が多い点も人気の一因となっている。

とはいえ、日曜日の昼頃には、その広々とした芝生が花見客で埋め尽くされることになる。その様子は湘南の砂浜を埋め尽くしている海水浴客のよう。ある意味圧巻である。

桜の木の下で 砧公園 ビアデッドコリーの写真
桜の木の下で

桜が多く植えられているのは西側のファミリーパークエリアになり、残念ながらここはペットの連れ込みは禁止となっている。

なので、砧公園らしい広々とした芝生と桜の光景の中を犬と一緒に散歩したり、壮大な桜を背景に写真を撮ったりすることができない。桜と写真を撮りたければ、アスレチック広場などに少し咲いている桜で我慢するしかない。

何よりこの花見の時期は、公園内や公園周辺が花見客で混雑していて、犬を連れて歩きにくい。砧公園といえば桜なんだけど・・・、花見がてら犬の散歩に訪れるのはちょっと微妙で、人がいない早朝とか、夕方遅くに訪れるか、公園に近づかない方がよかったりする。それが砧公園近くに住む愛犬家の現実である。

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