旅人とわんこの日々 タイトル

旅人とワンコの日々
世田谷編 2006年(5/12)

世田谷(砧公園)での犬との生活をつづった写真日記です。

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10、シャンプーの匂い(2006年5月)

妹はちょくちょく犬を連れて実家にやって来る。歩いて来れる距離なら散歩の途中に立ち寄ったとなるのだが、自転車や車で移動する距離なので、それなりに目的があって連れてきている。

自分が用事があるときに明日まで預かってというのが一番多いが、その他にもシャンプーをさせるために連れてくることもある。

暮らしているマンションの浴室よりも我が家の方が広いし、暇をしている母親に洗い終わった犬を拭いてもらったり、爪切りを手伝ってもらえば、2匹分の手入れもはかどるというもの。

犬のシャンプーのイメージ(*イラスト:acworksさん)

(*イラスト:acworksさん)

今日は帰宅すると、リンスの匂いと犬を洗った時に発生する毛皮臭のような匂いが家の中に漂っていた。

犬を飼っていない人にはわからないと思うが、犬を濡らすと強烈な毛皮臭がする。例えば、散歩で雨に濡れ、家に帰ってもタオルで拭いただけのままだと、家中が獣臭くなる。

これは犬に限ったことではなく、体毛に覆われている全ての動物に通じること。雨の日の牧場とか、動物園に行くと、いつもよりも動物の臭いを強く感じると思う。人間でも雨や汗で頭がぬれたりすると、ちょっと臭いを感じることもある。特に年を重ねると、それをより感じるようになる・・・。

シャンプー キャバリアの写真
シャンプー チワワの写真

で、今日は犬を洗ったんだ・・・と、チャーミーを呼んで匂ってみると、いい匂いがしない。ってことは、妹が自分のところの犬を連れてきて、自分とこの犬だけシャンプーをしたのだろう。

どうせならチャーミーも洗ってくれればいいのに・・・と思ってしまうが、チャーミーは体が大きいし、あまりシャンプーが好きではないので、洗っている最中に文句が多い。

小さいとはいえ2匹の犬を洗った後に、ついでにチャーミーもといった発想にならないのはしょうがない。けど・・・、やっぱり犬を洗った痕跡に気が付いてしまうと、チャーミーも洗ってくれていればな・・・と思ってしまうのは、人情というものだ。

11、ジャワ島中部地震(5月28日)

地理院の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

昨年、一昨年と立て続けに大きな地震が起きているインドネシアで、また大きな地震が起きた。今回の被災地は前回までのスマトラ島でなく、その隣のジャワ島。首都ジャカルタを擁するインドネシアの政治経済の核を成している島になる。

震源地は中部にある都市ジョグジャカルタの南。地震の規模を示すマグニチュードは6.3。一報を受けたとき、ここのところ起きている地震と比べると数字が小さ目だったので、被害もそれほどではないだろうと思ったのだが、2つの同じような規模の地震がほぼ同時に発生したことで、今回も大きな被害になってしまった。

インドネシアの巨大地震の連鎖は、2004年の暮れに始まった。まずマグニチュード9.1もの巨大なスマトラ島沖地震があり、インド洋に大津波が起き、周辺各国に甚大な被害が出た。その後も大小多くの余震が起こり、翌年には前回の震源地近くでマグニチュード8.6という前回に匹敵するような大きな地震が起き、また大きな被害が出た。そして今回になる。

インドネシアではここ3年間、毎年、阪神淡路大震災規模の地震が起きているようなイメージで、インドネシアをちょっと深く旅した者としては、とても心が痛む。

インドネシアのイメージ(*イラスト:アート宇都宮さん)

(*イラスト:アート宇都宮さん)

インドネシアは東南アジアの赤道付近に広がる島国になる。地図を見ると、まさに島国。世界一の島の数を誇っているのかなと思っていたのだが、調べてみると、島の数は13,466個で、世界では5位。ちなみに日本は6,853個で8位となる。

1万3千もの島があるインドネシアよりも、もっと多い国が4つもある。それはどこよ。驚きと、興味を感じる人も多いことだと思う。なので、ちょっとためになる地理のトリビアを書いてみよう。

世界一島が多い国はスウェーデンで、221,800個。2位はフィンランドで、188,000個。3位がノルウェーで、55,000個。トップスリーはいずれも北欧の国になる。氷河や流氷により、台地が浸食して島になったものが多く、陸に近い小さな島や湖水地帯の島が多いのが特徴になる。

地理院の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

4位も同じような形成理由からカナダになり、52,455個。5位はインドネシア。6位はオーストラリアで、8,222個。7位はフィリピンで7,641個。そして8位の日本と続いている。

島といえば海に浮かんでいる島といったイメージがあるので、上位4つの国に対して多島国家といったイメージがなかったという人が多いと思う。私もちょっと驚いた。

国連海洋法条約によると、島の定義は、「1,自然に形成された陸地 2,水に囲まれている 3,高潮時でも水面上にある」とされている。

沖ノ鳥島の写真
沖ノ鳥島

*出典:国土交通省 関東地方整備局ホームページ

この条約をうまく解釈しているのが、日本の最南端となる沖ノ鳥島。高潮時に水面にギリギリある岩礁とも言えてしまう島で、これ以上波で削られて水没しては日本の国土が狭まってしまう。経済的損失がでかい。ということで、現在では島自体をチタンで覆い、周囲も護岸が設置され、しっかりと守られている。

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インドネシアは、島の数では世界5位になるが、島国として考えるなら世界一といっても過言ではない。と、インドネシアを旅した人間としては思う。

それは島ごとに独自の文化があり、宗教が異なっていたり、食事や住居に特徴が見られたり、自然体系が異なっていたりと、島国らしくとても多様性に富んでいるからである。

コモド島に生息するコモドオオトカゲの写真
コモド島に生息するコモドオオトカゲ
マドゥラ島の水牛レースの写真
マドゥラ島の水牛レース
カリマンタン島のロングハウスの写真
カリマンタン島のロングハウス

私はかつてユーラシア大陸の横断を試みた。マレーシアで自転車を盗まれるといったハプニングがあり、最初の予定を変更してインドネシアの地を踏んだ。

実際にインドネシアを旅してみると、島ごとに変わる文化が面白く、わざわざユーラシア大陸を横断しなくても、インドネシアを含めたこの地域の島々を巡れば、それに匹敵するような旅ができるのではないか。そう感じ、旅の方針を島めぐりに変え、半年ばかりこの付近を旅した。

半年後にはビザの問題もあったが、インドネシアの旅に疲れたのもあって、ユーラシア大陸の旅に戻ることにしたのだが、インドネシアでの半年の島めぐりの旅は私にとってかけがえのない経験となっている。

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今回地震の起きたジャワ島はインドネシアで一番人口の多い島で、政治、経済の中心となっている。首都は島の北西部にあるジャカルタ。人口は東京都市圏に次ぐ世界第2位といったメガシティになる。

震源地近くのジョグジャカルタは、日本で言う京都のような町。王宮を中心として、古い遺跡が残り、近郊には世界遺産の仏教遺跡のボロブドゥール遺跡、そして今回損傷を受けたヒンドゥー教遺跡のプランバナン遺跡がある。

ジョグジャカルタの王宮の写真
ジョグジャカルタの王宮
プランバナン遺跡の写真
プランバナン遺跡
ボロブドゥール遺跡の写真
ボロブドゥール遺跡

ここで、「あれっ」と首を傾げた人はインドネシアに明るい人だ。インドネシアの宗教はイスラム教(約87%)、キリスト教(約9%)、ヒンドゥー教(約2%)となっている。インドネシアは人口がとても多い国なので、実質、世界で一番イスラム教徒の多い国になる。

イスラム教が圧倒的に多い国で、世界遺産規模の仏教遺跡やヒンドゥー教遺跡が存在しているのは何故か。これは謎でもなんでもないのだが、イスラム教が入ってくる前、13世紀以前は仏教やヒンドゥー教がこの地では信仰されていたからだ。

イスラム教が入ってきても、インドネシアのイスラム教は他の国よりも寛容で、厳しさが少なく、他の宗教の寺院や遺跡があったとしても、大きな問題になることはなかった。

ヒンドゥー教の祭礼の写真
ヒンドゥー教の祭礼

現在でも、リゾート地として有名なバリ島ではヒンドゥー教が多い。ジャワ島ではイスラム教が多いが、北部の沿岸部では華僑が多いので、道教寺院を多く見かける。

小さな島ではイスラム教よりはシャーマニズムが幅を利かせているし、カリマンタン島やスラウェシ島などではキリスト教徒も多い。このように宗教的な特徴が各所で見られるのもインドネシアを旅していて楽しい部分だ。

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今回被災したジョグジャカルタでは、伝統芸能が盛んだ。インドネシアは日本とは全てにおいてかけ離れた国、文化的な共通点はほとんどないといった印象を持っているかもしれないが、意外と日本と似た文化を見つけることができる。

影絵芝居(ワヤン・クリッ)の写真
影絵芝居(ワヤン・クリッ)
人形劇(ワヤン・ゴレ)の写真
人形劇(ワヤン・ゴレ)
演劇(ワヤン・オラン)の写真
演劇(ワヤン・オラン)

特に祭りで行われる演芸に関しては、日本でいう神楽や舞踊とよく似ている。影絵芝居、人形劇、舞踊、演劇(ラーマーヤナ)などは、インドネシアの独特なガムラン演奏で異国感を強く感じてしまうが、少しアレンジして日本のお囃子で行ってもあまり違和感がないと思う。

日本の神楽にしても、西日本の動きに大きな神楽、例えば石見神楽などはガムラン演奏で行っても、そんなにおかしなことにはならない。結局、人間のやることはどこでも似たり寄ったりになるんだなと思ってしまう。

共通点を多く見つけられれば、親しみが湧いてくるのが人情。困ったときはお互い様。親近感が多いと、援助したいという気持ちも大きくなる。少しでもインドネシアの被災地に対して手助けをしたいという人が増えてくれればうれしい。

12、夏の散歩(2005年7月)

夏の日差しとアスファルトのイメージ(*イラスト:yosiyosiさん)

(*イラスト:yosiyosiさん)

夏は暑いので、日差しのある昼間は犬の散歩に出かけられない。厄介なのは、気温よりも地面の温度。特に黒っぽいアスファルトは熱を持ちやすく、日差しの強い日には60度にもなるそうだ。

いくら肉球が厚い犬とはいえ、しょせんは素足。60度といえば、ちょっと熱した鉄板の上を素足で歩くようなもの。足の裏が焼肉になってしまう。

お寺の祭礼などで披露される山伏の火渡りが、あっという間に駆け抜けて終わるように、日差しが照り付ける夏の昼間に長々と散歩をするのは、やっぱり無理というものだ。

砂漠のラクダの写真

よくアラブのおとぎ話に月に照らされた砂漠とか、満点の星空の下の話がでてくる。砂漠といえば星空の下をラクダに揺られて・・・とか、星空の下で焚火を囲みながら音楽を奏でて・・・みたいな感じで、ロマンチックに語られることが多い。

なので、砂漠といえば何かロマンチックなイメージを持ってしまう人も多いと思う。でも、現実は昼間の砂漠は暑くてシャレにならなく、昼寝をして過ごしているだけのこと。

暑さで体力や水分が奪われるのはもちろんのことだが、砂漠の砂もアスファルトと同じで、太陽に焼かれるとかなりの高温になる。

砂が厄介なのはズボズボと足が埋まること。アスファルトならサンダルを履けば済むが、砂漠では足首が隠れるような靴でないと、足首も火傷してしまう。砂漠の昼間は本当に過酷だ。

砂漠のラクダの写真

ちょっと面白い話を書くと、水を得られる場所の少ない砂漠では、水はとても貴重な存在になるので、無駄に消費するわけにはいかない。

水の代わりに灼熱の太陽に焼かれた砂を代用している・・・と書くと、中世の攻城戦などで使われた策略を思い浮かべてしまうが、砂漠の隊商隊(キャラバン)などでは、太陽で殺菌されてきれいだということで、食器を洗ったり、用を足した後にお尻を拭いたりするのに使っていたりする。

なるほど。さすがは砂漠で暮らす人の知恵。話で聞く分にはフムフムと笑っていられるが、砂漠ツアーに参加し、目の前でやられると、おいおい、マジかよ・・・ってなる。

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話がそれてしまったが、夏は暑いので、私も砂漠の民に倣って、朝夕の涼しい時間に家の周りを少し回るぐらいにしている。

我が家の犬は散歩が好きなので、この時期はもう帰るの・・・と少し物足りなさそうに、家に戻るのを少し嫌がる素振りをすることもある。

肉球 ビアデッド・コリーの写真

長く散歩させてあげたいが、日が陰っていても地面からの熱で熱中症のような症状になることもありえるし、もちろん肉球を傷める心配もある。

でも、暑さ対策をしてやれば散歩好きなチャーミーでも真夏に散歩ができるだろうか。ちょっと考えてみた。

帽子を被ったビアデッド・コリーの写真
サングラスをかけたビアデッド・コリーの写真

熱射病を防ぐために帽子を被せ、紫外線から目を守るためにサングラスをかけ、足にはしっかりと底が厚いブーツを履かせれば、まあ何とか歩けるかもしれない。

一番の問題は胴体部分になるだろう。黒い毛皮は交換ができないので、少し短く毛を刈り込み、日傘のようなものを取り付け、直射日光を防ぐしかなさそうだ。

あとは簡易型扇風機を首から下げれば、夏でも楽しく散歩ができるかもしれない。でもそんな格好で散歩していたら、すれ違う通行人が笑い転げてしまうだろう・・・。連れている犬が笑われると飼い主として腹が立つから、やっぱり夏の昼間は散歩をしない方がよさそうだ。

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世田谷編 2006年(5/12)
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