旅人が歩けばわんにゃんに出会う タイトル

旅人が歩けばわんにゃんに出会う
国内編 神奈川県

神奈川県で出会った猫の写真を載せています。

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1、切り通しとにゃんこ(鎌倉市内 2005年11月)

鎌倉付近の地図(国土地理院地図)

国土地理院地図を書き込んで使用

学生時代に「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」といった語呂合わせで覚えたのが、征夷大将軍、源頼朝が開いた鎌倉幕府。名前の通りに神奈川県の鎌倉を都とした幕府になる。

なぜ頼朝は、日本の中心である京都やその付近に都をおかなかったのか。なぜ鎌倉を選んだのか。それは、頼朝が関東に地盤があったことが挙げられる。それとともに京都から離れた関東では、公家の治世をよしとしない武士が多く、武士が頭領でも統治がしやすい、という事情もあった。

関東の中でも鎌倉にしたのは、鎌倉は南を海に面し、それ以外の三方を山に面しているといった、天然の要塞だから。この時代は刀や槍、弓で戦をしていたので、大群が一気に攻めにくい地形というのが、とても重要視されていた。

鎌倉 名越切通し
鎌倉 名越切通し

いくら防御力が高くても、出入りする道がなければ都として機能しない。山や丘を切り開いて「切通し」という細い道が整備された。俗にいう「鎌倉の七口(七切通し)」になる。

ちなみに、現在でも天然の要塞というのは変わらず、車で鎌倉へ向かおうとすると、進むルートが限られ、しかも広い道がないので、行楽シーズンや休日などは渋滞が激しい。しかも帰りも混雑するので、結構うんざりする。

鎌倉 大仏切通し
鎌倉 大仏切通し

鎌倉が鎌倉たる由縁である鎌倉七口を訪れてみよう。ふと思い立って、11月、勤労感謝の日に友人とバイクで鎌倉を訪れた。

祝日、プラス、紅葉時期なので、案の定、鎌倉へ向かう道はなかなかの渋滞っぷり。バイクなので車よりはましなのだが、鎌倉の渋滞地獄はなかなかきつい。住民の苦労も並大抵ではないはずだ。

鎌倉に入ってしまえば比較的スムーズだった。それにバイクで訪れたので、フットワークは軽い。東京方面からの出入り口となる「名越切通」を手始めに、「朝夷奈切通」「巨福呂坂」「亀ヶ谷坂」「仮粧坂」「大仏切通」「極楽寺切通」と見て回った。

現在では車道として整備されてしまった切り通しもあるが、多くは昔のまま。実際に歩いてみると、昔は大変だったんだろうな・・・。ここを軍勢が進軍したのかな・・・。などと、遥か昔に思いをはせることができ、なかなかロマンにあふれる散策となった。

鎌倉 釈迦堂切通しの写真
鎌倉 釈迦堂切通しの写真
釈迦堂切通し

*現在では通行できません。

鎌倉の七口(七切通し)とは別に、釈迦堂切通しが市内にある。今回の一番のお目当てがここだった。(*崩落の危険があるため、現在では封鎖されているとのこと)

ここの切り通しは豪快で、高く垂直に切り立った崖と、岩盤を削ったトンネルがある。実際、歩いてみると、これぞ切通しといった感じ。広島にある帝釈峡のミニ版というか、迫力があり、なかなかすごい。

鎌倉時代の人もやるもんだ。・・・って、実際にこのトンネルが掘られたのは明治時代以降とのこと。鎌倉時代や中世とは関係ないそうだ。

でも、もしかしたら手彫りで小さなトンネルを僧侶がコツコツと彫っていて、後世の人がそれを広げたのかもしれない。などと、大分の耶馬溪みたいなことを想像してみる・・・。

案内板の上にたたずむ猫の写真
にゃんこ付きの案内板

Kamakura(鎌倉),Kanagawa Nov.2005

この釈迦堂切通しを訪れたときのこと。道沿いに設置されている案内板の上に猫が佇んでいた。その姿はどことなく凛としていて品格を感じる。

あまりにも案内板に馴染んでいる様子から、まるで案内板に設置された置物のよう・・・。というか、案内板にとりついてしまった猫の化身のよう。実は、人間の言葉をしゃべって、釈迦堂切り通しの由緒を語ってくれるとか・・・。などと期待してしまうほどだった。

2、マグロの町のにゃんこ(三浦市三崎町 2008年3月)

神奈川県三崎港 陸揚げされる冷凍マグロの写真
陸揚げされる冷凍マグロ

三浦半島の最南端付近にあるのが、三浦市三崎町。三崎といえば、マグロ。そう思い浮かべる人は多いだろう。

三崎港は、明治以後、遠洋漁業の拠点として栄えた。なかでもマグロ漁が盛んで、1960年代に最盛期を迎え、マグロの収入で町は潤い、歓楽街は大いに賑わった。なんでも「眠らない街」と呼ばれるほどの繁盛ぶりだったとか。

その後、冷凍技術の発達により、日本国外から安価なマグロが流通し始めると、三崎のマグロ漁は衰退していく。今でも日本トップクラスの水揚げを誇ってはいるが、かつてほどの賑わいはなくなってしまった。

神奈川県三浦市三崎町の町並み 路地と魚屋さんの写真
三崎の町で

現在の三崎は、東京や横浜から気軽に訪れることのできる距離にあり、おいしいマグロが食べられたり、海鮮市場があることから、手軽な旅行先として人気になっている。

三崎の魅力は、海鮮だけではない。レトロな町並みにもある。かつて繁栄を極めた港町は、今でも独特の情緒があり、また昔ながらの古き良き漁港の面影も残っている。ぶらぶらと町歩きをするのも、けっこう楽しい。

神奈川県三浦市三崎町 路地にいる猫の写真
にゃんこ発見

Misaki(三崎),Kanagawa Mar.2008

神奈川県三浦市三崎町 路地の隅を避けるように歩く猫の写真
急いでますので・・・

Misaki(三崎),Kanagawa Mar.2008

三崎の町並みを歩いていると、路地を歩くニャンコを発見。ストーカー作戦開始。猫の方へ自然な感じでそろりそろり近づいていく。しかし客引きを避ける通行人のように、私を避けて通ろうとする。

「猫さん、心配ないよ。私、いい人よ。」などと言っても、怪しい他所者には変わりがない。せめて写真だけでも・・・。しゃがんで写真を撮ろうとすると、目の前で大きくジャンプ。塀の向こうへ行ってしまった。作戦失敗。

残念ながら猫との交流は失敗。でも、漁町と猫。やっぱり絵になるというか、猫がいると気持が落ち着く。

神奈川県三浦市三崎町 店の前で見ものを干す干物屋さんの写真
干物屋さん

三崎を歩いていると、干物屋さんが多い。しかも店の前で干していたりする。猫の襲撃は受けないのだろうか。或いは空からトンビやカラスの襲撃を受けないのだろうか。心配になってしまう。

神奈川県三浦市三崎町 漁船の周りにたむろするウミネコの写真
漁船とウミネコ

海に目をやると、漁船で作業している人の周りにはウミネコがたむろっている。このへんは都市部や農村などと違った漁港ならではの動物との距離感というやつなのだろう。その土地土地で自然との距離感を肌で感じることも、散策していて楽しいポイントになる。

3、水仙とにゃんこ(三浦市城ケ島 2009年2月)

神奈川県 城ケ島 旧・安房埼灯台の写真
旧・安房埼灯台

*令和2年に建て替えられました。

三浦半島の最南端にあるのが三崎港。その沖に浮かんでいるのが城ヶ島で、三浦半島とは城ケ島大橋で結ばれている。

島は、県立城ヶ島公園を中心に、西には城ヶ島灯台、東には安房埼灯台があり、馬ノ背洞門(侵食によって岩がメガネ状に繰り抜かれたアーチ状の海食洞門)といった見所もある。また、磯遊びや釣りをしたり、海産物目当てに訪れる観光客も多い。

のんびりするのには最適な場所で、暖かい時期に訪問するがお勧めとなるのだが、島に水仙が咲く時期、1月から2月上旬にかけても、訪れるのにはいい時期となる。

神奈川県 城ケ島 城ケ島水仙まつりの写真
城ケ島水仙まつり

城ヶ島に咲く水仙は、島に自生している八重水仙。花が八重になっている可愛らしい水仙になる。なんでも観光客らに盗難されることが相次ぎ、それならば一箇所にまとめてしまおう。そのほうが管理がしやすいし、観賞用として多くの人に喜んでもらえる。と、県立城ヶ島公園や城ヶ島灯台付近に集めたとか。

今では地元の人達の手入れによって約60万株の水仙が咲き誇るほどになり、水仙を目当てに多くの観光客が訪れるようになった。1月下旬頃の週末には、水仙まつりが県立城ヶ島公園で行われ、その日は「陣屋汁」の無料サービス、地場産野菜や花の販売のほか、和太鼓の演奏などが行われる。

神奈川県 城ケ島 水仙とにゃんこたちの写真
水仙とにゃんこたち

Jogashima(城ケ島),Kanagawa Feb.2009

城ケ島に水仙を見に行った時のこと。水仙は城ヶ島公園の入り口に群生しているのだが、せっかく来たので灯台のほうへ行ってみるか。と、公園内を散策していると、猫を発見。旬の水仙の中に埋まっていた。

猫と水仙。季節感があってなかなかいい。普通なら花のそばに猫がいると、これはシャッターチャンスといった感じになるのだが、水仙の場合はあまり手放しで喜べない。

神奈川県 城ケ島 水仙の中にたたずむ猫の写真
水仙の中にたたずむ

Jogashima(城ケ島),Kanagawa Feb.2009

実は、水仙は非常に強い毒を持った植物になる。人間が食べても死亡することもあるほど。ニラとスイセンを間違えて採取し、それを自宅で料理して食べ、死亡してしまった。などというニュースを聞いたことがあるのではないだろうか。

もちろん猫にとっても有毒。身体が小さい分、人間よりも少ない致死量で死亡してしまう。猫草のような感じで葉っぱをカジカジしたら死んでしまうのではないか・・・。と、ちょっと心配になってしまう。

とはいえ、ここで暮らしている以上、一度、痛い目に遭って、これは食べたら体調が悪くなる・・・と、学習していることだろう。野生で暮らす動物は人以上に感が効くものだ。

神奈川県 城ケ島 日向で寝そべる猫の写真
お昼寝中

Jogashima(城ケ島),Kanagawa Feb.2009

こちらは日向で豪快に寝ているにゃんこ。観光客がそばを通ってもお構いなしといった感じ。城ケ島の猫は丸々太り、とても人に慣れている。野良猫が無防備にくつろいでいる様子を見ると、なんとも平和に感じてしまう。

4、手水舎とにゃんこ(平塚市 2011年1月)

平塚三嶋神社の写真
平塚三嶋神社

平塚市の夕日が丘に平塚三嶋神社がある。この三嶋神社は古くからこの地にある神社で、祭神は大山祇命と、「湘南のえびす様」と呼ばれている事代主命で、古くから漁業者や商業者らの信仰を集めている。

平塚三嶋神社 福笹の縁起物選びの写真
福笹の縁起物選び

平塚三嶋神社では、毎年1月第3日曜日に新春えびすまつりが行われる。この新春えびすまつりで面白いのが、開運福笹。鯛や小判、福俵などといった縁起物を自分で選び、笹に取り付けてもらう。これがまるで縁起物のバイキングみたい。今年は金運の効果を多めにしておこうか・・・みたいな感じで、それぞれの事情やドラマがあって面白い。

この福笹は、お店や家に1年間おまつりすることによって、開運招福をはじめ、商売・諸産業に携わる方々の幸運とご繁栄を導くとされるとのこと。

この他、境内では「開運えびす市」が行われ、色々な掘り出し物が並ぶフリーマーケットや、食べ物の屋台が並び、特設の舟形舞台では「福娘ミニコンサート」や、福男・福女による「開運福まき」といったイベントが行われる。

平塚三嶋神社 手水舎とにゃんこの写真
平塚三嶋神社 手水舎とにゃんこの写真
手水舎とにゃんこ

Hiratsuka Mishima Shrine(平塚三嶋神社),Kanagawa Jan.2011

新春えびすまつりが行われ、賑わっている境内でにゃんこを発見。なんと神社にやって来た敬虔な参拝客が一番最初に訪れる手水舎の前に陣取っていた。

何をしているのだろう。御影石に映る自分の姿にうっとりしているのだろうか。そうだとしたら、なんて面白い猫だ。最初は後ろから見たので、そう思ったのだが、近づいてみると、どうも違う。

どうも石を舐めているような感じ。水が流れている場所ではないので、なんだろう。もしかして妖怪、垢舐め猫ってやつか・・・。

境内では食べ物の屋台も多い。誰かの食べ物がついてしまったのかな・・・。気になって猫に聞いてみるのだが、夢中になっていて答えてはくれなかった。

旅人が歩けばわんにゃんに出会う
国内編 神奈川県
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