旅人が歩けばわんにゃんに出会う タイトル

旅人が歩けばわんにゃんに出会う
海外編 ラオス

ラオスで出会った猫や犬の写真を紹介しています。

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1、犬の衛兵(2000年11月)

ラオスの地図のイメージ(*イラスト:ナロンエースさん)

(*イラスト:ナロンエースさん 無料イラスト【イラストAC】

ラオスといえば・・・。まず、ラオスという国がどこにあるのかわからない人も多いかもしれない。パラオと混同してなのか、太平洋にある島国とか、或いはカリブ海にある国という人もいるが、東南アジアの内陸にある国になる。

地図で見ると、東南アジアの真ん中付近にあり、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、そして中国と、多くの国と国境を接している。

立地的には交通の要所になるので、交易が盛んで、経済も発展しているように思えるが、残念ながら国土の大半が山地になるため、交通網が発展していない。港を持っていないことから工業も盛んでなく、国として経済規模は小さい。それ故にあまり存在感のない国となってしまっている。

そのラオスの首都は・・・。これをすらっと答えられる人は、地理のセンスが抜群か、物知りな人だろう。東南アジアでは、ブルネイに次ぐ難解な首都名になり、答えられる人はあまりいない。

ラオス ビエンチャン 国家主席府の前でお昼寝をする犬の写真
犬の衛兵?

ビエンチャン(Vientiane / ວຽງຈັນ)、Laos Nov.2000

ラオスの首都はビエンチャン。そのビエンチャンを訪れたときのこと。政府の庁舎、ラオス国家主席府を通りかかると、警備の詰め所には誰もいなく、門の前ではワンコが昼寝をしていた。

こんなんで大丈夫なのか。ラオス。しっかりしろよ。なんて事を思う人は、まずいない。とてものどかで、ラオスらしい光景だな・・・と感じる人がほとんどだろう。ラオスとはそういう国だ。

それにしても惜しい。もし、この犬がお座りをしていてくれたなら、立派な建物を守る犬の衛兵って感じの図になっていてよかったのだが・・・。

というより、いっそのこと、ラオス政府がこの犬を衛兵として雇うというのはどうだろう。常時衛兵がいることになって体裁がいいし、いい話題にもなるのでは・・・。

2、物売りとワンコ(2000年11月)

ラオスのバスターミナルの写真
ラオスのバスターミナル

旅は移動の連続。移動するための交通手段はいくつかあるが、土地土地をじっくりと回っていくような旅をしようと思うと、細かいところまで路線網が張り巡らされていて、便数も多い乗合バスでの移動が多くなる。

バスはどこの国でも同じようなもの。バスの移動は鉄道に比べると面白味がない。バスはバスの形をしていて、メーカーの違い、会社ごとのラッピングの違い程度の差しかない。そう思う人が多いかもしれない。

が、そんなことはない。「所変われば品変わる」という諺があるように、国が変わればバスも変わる。国ごとにバスにも特徴があり、その違いを楽しむのも旅の醍醐味のうちの一つになる。

特に面白いのが、インフラがあまり発達していなく、経済的に裕福ではない国。こういった国では、安全基準などあってないようなもの。バスのオーナーの趣向によって、様々な改造が施され、唯一無二の個性的なデザインになっている。

ラオス トラックバスの写真
トラックバス

ラオスの場合、経済的に裕福ではないので、バスがあっても中古のものばかり。日本で昭和の時代に走っていたようなバスが、盛大に煙を吐きながら走っているというのも、よくある光景(2000年のこと)。

それとともに、道路の舗装状態が悪いのもあって、地方ではトラックバスも多く走っていた。トラックバスというのは、トラックの荷台に屋根や囲いを装着して、簡易的な座席を取り付けたバス。車高が高いので、少々の悪路でも走ることができる。

問題なのは、閉められる窓がないこと。乗っていると、風に交じって埃や排気ガスが入ってくるので、埃っぽくてたまらない。もちろん冷暖もない。たまに小さな扇風機が付いているバスもあったが、気休めにしかなっていなかった。乗り心地も悪く、乗客も荷台に載せられた荷物の延長といった扱い。まさに貨客混載バスだった。

ラオス 物売りたちとワンコの写真
物売りたちとワンコ

ラオス南部(Southern Laos)、Laos Nov.2000

ラオス南部に向かうために、パクセーからトラックバスに乗った時のこと。休憩所なのか、停留所になるのかわからないが、途中で道路の隅に停まった。

バスが停車すると、取り囲むように物売りたちがやって来た。その中に交じって、ワンコもいた。きっと物売りの誰かと懇意にしているのだろう。

物売りとわんこ。飼い主の物品がよく売れるように手助けをし、助け合いながら生きているのだろうか。今日も頑張って生活費を稼ごうとするものの、稼ぎはパン一個買えるだけ。今日もこれで我慢しようね。と、わんことパンを半分にして食べる・・・。

名作劇場のイメージ(*イラスト:jwさん)

(*イラスト:jwさん 無料イラスト【イラストAC】

なんて名作劇場的なことを考えてしまったが、わんこはあわよくば乗客からおこぼれをもらえるかも・・・という期待をこめて、バスの周りをウロウロしているだけだった。

そんな妄想はいいとして、問題はここがバス通りということ。バスが道路の隅に停車しているぐらいなので、交通量は多くないが、そのうち車に引かれてしまうことにならないだろうか。それがちょっと心配・・・。

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ちなみに、ここの売り子たちが売っていたものが、衝撃的だった。串焼きみたいなものを売っていたのだが、刺さっているのは黒っぽいもの。

日本的に考えると、焼き鳥のレバー・・・だけど、ここだったらヤギとか、羊肉になるのかな・・・と思ったのだが、売り子が近くにやって来てビックリ、なんと刺さっていたのは、コオロギ。

一串に8匹ぐらい刺さっているだろうか。なかなか焼き加減が絶妙で、これはおいしそう・・・なんて思えるわけがない。絶叫しそうになった。

コオロギのイメージ(*イラスト:名古屋の片隅から始まるさん)

(*イラスト:名古屋の片隅から始まるさん 無料イラスト【イラストAC】

今では昆虫食が少し知られるようになり、日本でもコオロギを食べようといった機運が高まっているが、この時代はそんな概念は微塵もない。

売っている女の子は、「コオロギ買ってよ。おいしいよ。」とばかりに、手に持っているコオロギが刺さった大量の串を、私に突き出してくる。

「それ、日本じゃ食べ物じゃないから。」「頼む、グロテスクだからこっちに向けないでくれ。」と、日本語で言っても通じるわけがない。その嫌がる様子が面白いのか、更に「どうよ」とばかりに向けてくる。物売りの女の子が悪魔のように思えてしまった・・・。

旅人なので、少々のものは口にするが、きれいな場所で飼育したものならまだしも、さすがにその辺で捕った昆虫を食べようとはならない。

3、コーン島のワンコたち(2000年10月)

ラオス南部のメコン川の写真
ラオス南部のメコン川

東南アジアを流れる大河、メコン川。源流を遡ると、なんと標高5,000mのチベット高原。そこから中国の雲南省を流れ、東南アジアにやってくる。

東南アジアでは、まずミャンマーとラオス国境を流れ、その後タイとラオスの国境を流れていく。そして、ラオス南部、カンボジア、ベトナムと流れていき、南シナ海へ注いでいる。

総延長は実に4,000km以上。メコン川といえば下流部のメコンデルタの印象が強いが、これだけ長い河川なので、様々な河川の風景を持っている。

ラオス シーパンドンの写真
シーパンドン

メコン川はラオス南部からカンボジアへ入っていく。このカンボジアに入る手前、ラオス最南部のメコン川流域は、シーパンドン(Si Phan Don)と呼ばれていて、とても特徴的な地形をしている。

シーパンドンとは4千の島の意味。この付近は川幅がぐっと広がり、広いところで10キロ以上もある。ここに大小4千の島があるのだが、中流域にデルタ地帯が突然現れるといった表現が分かりやすい。

ラオス コーンパペンの滝の写真
コーンパペンの滝

流れが穏やかなシーパンドンの南端からは、メコン川の様子が一変する。カンボジアにかけて岩石地帯となっていて、大きな滝もあることから、流れがとても激しい。

メコン川というと穏やかに流れていて、悠久とか、のんびりとかいった印象を抱くのだが、この部分だけはやる気が全然違う・・・、といった感じ。

ここの滝は落差は20mほどと、高低差による迫力はない。ただ、横に連続して10kmに渡って大小無数の滝があるので、世界で最も幅の広い滝ということになるようだ(ギネス記録による)。

ガイドブックなどを見ると、アジアのナイアガラだ!と書かれているが、それはちょっと言い過ぎだと思う。規模の大きな急流というのが、ふさわしい。というより、ナイアガラだと思って訪れると、ガッカリ感が凄いことになる。

アジアのナイアガラでも、ナイアガラじゃなくても、観光客には大した影響はないのだが、この滝があるせいで、下流のベトナムやカンボジアからの船がラオスへ進むことができない。内陸のラオスにとってはあまり喜ばしくない存在になっている。

ラオス コーン島の田んぼの写真
コーン島の田んぼ

シーパンドンは、メコン川の水に恵まれているのもあって、農業がとても盛んに行われている。人が住めるほど大きな島も多くあり、その中で観光客に人気となっているのが、滝のすぐ近くにあるコーン島(Don Khon)とデッド島。

ここにはゲストハウスやレストランが並んでいて、バックパッカーに人気の滞在地・・・。というより、沈没地としてよく知られている。

実際に滞在してみると、自然に囲まれ、静かで、時が止まっているかのよう。私が訪れた時には、電気、水道、ガスといったインフラは整備されていなかったので、文明社会から隔絶された世界といった雰囲気がたまらなく良かった。

と大袈裟に書いてみたが、実際は、電気に関しては車のバッテリーを使って照明が点くし、雨水などを貯めた浄水器もあるし、ちゃんとした食堂もあるしと、滞在中に困ることはほぼなかった。

ラオス コーン島のゲストハウスでの写真
コーン島のゲストハウスで

コーン島は自然豊かな島だが、一回りしてしまうと、これといってやることがなくなる。本来なら1日滞在すれば十分、となるはずなのだが、島の空気の影響なのか、村人が沈没病のエキスを食事に混ぜているのか、どうにも腰が重くなる。

特にすることはないが、こんなのんびりした環境で過ごすことはめったいにない。なんて贅沢な体験だろう。と、2日目はボーとして過ごす。3日目は、更に腰が重くなり、旅人にも休息が必要だ・・・と言い訳し、もう一日ボーとしながら過ごし・・・。と、徐々に時間の感覚がなくなり、時があっという間に過ぎていく。これが沈没というもの。旅人にとって一番厄介な症状になる。

ラオス シーパンドン コーン島の道を歩く子供たちとワンコの様子の写真
コーン島の道で

コーン島(Don Khon / ດອນຄອນ)、Laos Oct.2000

コーン島のゲストハウスがある集落には、2匹のワンコが暮らしていた。ここでは他の地域の車が走ることがないから、まず車などにひかれる心配はない。島の子供たちとはお友達といった感じで、島の風景に溶け込んでいた。

ラオス シーパンドン コーン島 ワンコと釣り場へ向かう子供たちの写真
わんこと釣り場へ向かう子供たち
ラオス シーパンドン コーン島 魚釣りをする子供たちと見守るワンコの写真
魚釣りをする子供たちと見守るわんこ

コーン島(Don Khon / ດອນຄອນ)、Laos Oct.2000

シーパンドンの滝から先も岩場が続いているが、流れは比較的穏やかになる。滝付近では仕掛けの漁が行われていたが、その先の岩場では子供たちが魚釣りをしていた。

ここでは釣りが娯楽の一つ。夕飯にもなるので、子供たちの表情は真剣そのもの。川に落ちたら危ないが、見守ってくれるワンコたちがいるので心強い。

ラオス 小学校に侵入するわんこの写真
小学校に侵入するわんこ

コーン島(Don Khon / ດອນຄອນ)、Laos Oct.2000

ラオスの女性は、長い布地を腰で巻き、ロングスカートのように着こなしている人が多い。これは伝統衣装シン。呼び名は違うが、インドネシア、ミャンマーでもよく見かける。

こういった衣装が女学生の制服になっているのは、ラオスだけ。小学生女子もちゃんとシンを着こなして通学している。他の地域では濃紺の色が多い気がしたが、コーン島ではちょっとカラフルだったのが、印象に残っている。

そんなシンを着た女学生のいる小学校へ、犬が乱入。日本だったら大騒ぎになるが、ここでは空気のような存在。本当に穏やかに時が流れている。

ラオス コーン島 豚の赤ちゃんの写真
豚の赤ちゃん

コーン島(Don Khon / ດອນຄອນ)、Laos Oct.2000

コーン島をブラブラと歩いていると、農作業をしている子だくさんなお母さんに呼び止められた。何かと思えば、豚の赤ちゃんが生まれたとのことで、豚の赤ちゃんを見せてくれた。

産まれたばかりの豚は可愛い。自然豊かな環境の中では、生命の息吹を感じることも多い。連鎖するように、子供も家畜もどんどん生まれてくるのだろう。

4、ムアン・シンのワンコ(2000年11月)

首都ビエンチャンから、ラオスの最北部付近、中国との国境も間近な場所にあるムアンシンという小さな町へ、バスで向かった。

しかし、ラオスの道は悪く、交通網もあまり発達していない。おまけに北部地域ではバスジャックに合う確率が高いとかで、夜行バスがない。バスを乗り継いで移動するのも大変で、結果、移動に一日半もかかってしまった。

ラオス ムアンシン 祭りの日のシェン トゥン ストゥーパの写真
祭りの日のシェン トゥン ストゥーパ

なぜそんな苦労をして、こんな辺境の地までやって来たのか。それは、ちょうどムアンシンでフルムーン・フェスティバル(正式にはXieng Tung Stupa Festival)をやっていたから。

この祭りは、11月ごろの満月の日に行われるシェン トゥン ストゥーパ(シェン・トゥン寺院)の祭礼になり、この地域で一番大きな祭りとなる。

ラオス ムアンシン フルムーン・フェスティバルの会場にての写真
フルムーン・フェスティバルの会場にて

お祭りだけだったら、わざわざ時間をかけて訪れることはなかっただろう。魅力的に感じたのは、この日は周辺地域から民族衣装を着た住民たちが集まり、とても賑やかな光景になるということ。

ラオス北部には民族衣装を着たモン族の人々が多く暮らしている。少数民族の人に会いに行くといったツアーもあるが、それだけのために北部まで行くのも大変だし、会えるかもわからない。

でもお祭りだったら確実に会えるし、一度に多くの少数民族に会える。これは頑張っていく価値がある。ということで、苦労してムアンシンにやって来たのだが、祭り自体は、思っていた通りのような・・・、ちょっと期待外れのような・・・、感想が難しい。でも民族衣装を着た人に沢山会えたので、その点では満足できた。

ラオス ムアンシン市場の写真
ムアンシンの市場

「その土地の文化を知りたければ、市場へ行け!」と、 かつては旅の定石のように言われていた。しかし経済だったり、技術の向上とともに、どこも似たり寄ったりな雰囲気となりつつあるように思う。

私自身、市場を周るのが好きなので、なるべくその土地の市場を訪れるようにしている。そして感じるのが、野菜売り場などはそこまで違いはないものの、肉売り場は訪れる国、地域によって結構差がある。きっと宗教観や死生観、文化が影響するのだろう。

ラオス ムアンシン市場の肉屋の写真
ムアンシン市場の肉屋

ムアンシン(Muang Sing / ເມືອງສິງ)、Laos Nov.2000

肉売り場といえば、日本ではきれいに切った肉がパックやトレーに並べられ、冷蔵庫に入れられて売られているが、多くの市場では冷蔵システムがないので、ぶつ切り、常温が普通のこと。解体作業も同じ場所で行っているので、匂いがすさまじい。

それとともに、肉売り場は物々しく柵が設けられているところが多い。肉は高価だから宝石を売るのと一緒だな・・・なんて思ったが、鳥や犬、猫などといった動物から守るためだとか。

実際、市場ではワンコがおこぼれをもらおうと、ウロウロしていることが多く、ここムアンシンでも買い物客に交じってワンコがウロウロしていた。

ラオス ムアンシン のどかな道の写真
のどかな道

ムアンシン(Muang Sing / ເມືອງສິງ)、Laos Nov.2000

ムアンシンでは、周辺に暮らしている少数民族の村を歩いて回るトレッキングツアーが人気となっている。

お隣のベトナムでもそういったツアーに参加したので、今回も参加してみようかと思っていたのだが、前日のフルムーン・フェスティバルでは、欧米人旅行者の集団が嫌がっている民族衣装を来た人たちの写真を容赦くなく撮っていて、地元の人が激怒しているといった光景を見てしまった。

なので、せっかく村へ行っても、冷たい目で見られるだけなのでは・・・。歓迎されない訪問ほど気まずいものはないし・・・と、やめることにした。その代わりに自転車を借りて、中国国境付近までサイクリングしてみることにした。

舗装されていない道を自転車で走っていると、前方に子供たちとワンコを発見。写真を撮って、急いで現場に向かったが、もう姿がなかった・・・。

ラオス ムアンシン 素朴な集落の写真
素朴な集落

自転車で走っていると、道沿いに趣きのある集落があった。ほぼ木造建築だけで、まるで時代劇のセットのよう。

日本で古い町並みを歩くと、お世辞を込めて江戸時代にタイムスリップしたかのよう・・・などといった表現をよく使うが、そんなのは甘い。

ここには電線がない。そして車も見当たらない。テレビアンテナやパラボラアンテナもない。文明の利器と呼べるものがほとんど見当たらないのだ。なので、まるで中世にタイムスリップした気になってしまう。

なんて凄い集落だろう。何て素朴な環境なんだろう。身震いするような感動が湧き上がり、行ってみたい気持ちがこみ上げてくるが、集落にずかずかと入っていく勇気は湧いてこなかった。

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海外編 ラオス
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