旅人が歩けばわんにゃんに出会う タイトル

旅人が歩けばわんにゃんに出会う
国内編 近畿

近畿地方で出会った猫の写真を載せています。

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1、明石港のにゃんこ(兵庫県明石市 2016年4月)

明石といえば、さんま。なんて言ったら、落語の小話になってしまうが、兵庫県にある明石と聞けば、明石焼きとか、タコとか、明石海峡大橋とか思い浮かぶ人が多いことだろう。

明石 明石市立天文科学館の写真
明石市立天文科学館
明石 明石市立天文科学館の子午線の写真
明石市立天文科学館の子午線

でも、旅や地理好きなら明石市立天文科学館となるはず。この天文台は、日本の標準時となっている日本標準時子午線、東経135度上に建てられていて、日本の時の象徴として広く認識されている。

まあ言ってみれば、日本の時間の中心地。その絶対的な影響力とか、存在感は、唯一無二。日本でただ一か所しかない「時の聖地」である。・・・とまで考えてしまうのは、私のような一部の旅狂いな人だけかもしれない。

明石 旧波門崎燈籠堂(明石港旧灯台)の写真
旧波門崎燈籠堂(明石港旧灯台)

現在はきれいに修繕されているようです。

遥々来たぜ、日本の時間の中心地。と、明石天文台を訪れた後、海峡沿いにある明石港を訪れてみた。

明石港には、日本に現存している旧灯台のうち、2番目に古いとされている旧波門崎燈籠堂(明石港旧灯台)がある。記録によると明暦3(1657)年頃、5代藩主松平忠国によって造られたという。

明石 現在の灯台と明石海峡大橋の写真
現在の灯台と明石海峡大橋

旧灯台が実際に使用されたのは、昭和38年(1963)まで。実に300年以上も明石港を見守り続けたことになる。現役を退いた後は、港に保存され、明石港のランドマークとなっている。

明石港 港を歩く猫の写真
港を歩くにゃんこ

Akashi Port(明石港),Hyogo Apr.2016

明石港 こちらをみつめる猫の写真
にゃんか用?

Akashi Port(明石港),Hyogo Apr.2016

明石港を訪れたのはゴールデンウィーク。快晴の中、多くの釣り人で賑わっていた。そういった釣り人に交じり、釣り人から何かもらえないだろうか・・・といった感じで、にゃんこたちもウロウロしていた。

とても人に慣れていて、どうやら猫スポットにもなっているようだ。

明石港 車の下で涼む猫の写真
車の下のにゃんこ

Akashi Port(明石港),Hyogo Apr.2016

ゴールデンウィークとはいえ、近年ではもう暑いと言える時期。特に日中は日差しが強烈で、アスファルトの上は灼熱となる。

港や防波堤には影になるいい場所がない。日陰となり、風通しのいい車の下は、猫たちの絶好の隠れ家になっていた。

車の下で真剣に港を見張っている様子から推測するに、いつも世話をしてくれる人が来たり、他の猫が何か食べ物をもらったら一気に飛び出すつもりなのだろう。そんな様子がすぐに思い浮かぶ。

2、トルコなにゃんこ(和歌山県串本町 2007年7月)

紀伊半島南部の地図(国土地理院地図)

国土地理院地図を書き込んで使用

紀伊半島の最南端は、和歌山県の串本町。位置的に台風の通り道となることが多い。

昭和時代に生まれた人間は、テレビのレポーターが「こちら串本町です。ご覧のように凄まじい強風が・・・」と、風に傘をあおられながら台風中継をしているイメージが強いかもしれない。

今ではそんなドリフのコントのような中継は行われていないが、昔はそういったことが当たり前のように行われていた。それが昭和という時代。今思えば懐かしく感じる・・・。

和歌山県串本町潮岬 本州最南端の碑の写真
本州最南端の碑

串本町の南には、海に少し出っ張った潮岬がある。ここは本州の最南端になる。ちなみに最北端は青森県の大間岬。最西端は山口県の毘沙ノ鼻。最東端は・・・、これはわからない人が多いと思うが、岩手県の魹ヶ崎(トドヶ崎)になる。

こういった端っこは、旅を進めるうえでの限界地点。或いは一つの区切り、例えば本州の制覇、次は北海道・・・というような場所になる。簡単に言うなら終着駅のようなもの。とても神聖で、感慨深い場所になる。

それに、場所柄、通りがかったから訪れたということはできなく、そこに行く意思がないとたどり着けないといった特殊な場所。例えるなら山頂のような場所になる。おまけに東西南北の4カ所しかない希少なスポットでもある。だからこそ訪れることにとても意義や価値がある。

などと、熱狂的に思うのは、旅人やら自転車乗りみたいな人だけかもしれないが、普通の人でも訪れてみると、少なからず征服心やら冒険心がこみ上げてくるのではないかと思う。

和歌山県紀伊大島 トルコ記念館の写真
トルコ記念館

その本州最南端の潮岬のすぐ東側には、紀伊大島があり、橋でつながっている。この紀伊大島には中東にあるトルコ関係の博物館や記念碑があり、トルコ関係の店も多い。

なぜこんな本州の最南端といった辺境の地にトルコ関連のものが多いのか。両国の友好関係のためにも、多くの人が訪れやすい場所の方がいいのではないか。事情を知らないと、首をかしげてしまうだろう。

和歌山県紀伊大島 トルコ軍艦(エルトゥールル号)遭難慰霊碑の写真
トルコ軍艦(エルトゥールル号)遭難慰霊碑

実は、紀伊大島とトルコとはちょっとした縁がある。少し古い話になるが、1890年(明治23年)、トルコから親善使節が軍艦エルトゥールル号に乗ってやって来て、天皇陛下に謁見した。

使節団は9月15日に帰国の途に就いたのだが、翌日の夜、船が台風の強風にあおられ、紀伊大島沖の岩礁に激突し、沈没してしまった。

島に流れ着いた船員から事情を聴き、当時の大島島民は不眠不休で生存者の救助し、また遺体捜索、引き上げにあたった。

結局、乗組員656名のうち助かったのは69名。587名が還らぬ人となってしまうという大惨事となってしまった。その後、異国の海に散った将士たちの霊を慰めるために慰霊碑が建てられ、今も5年ごとに追悼式典が行われている。

オスマントルコ軍の楽隊の写真
オスマントルコ軍の楽隊

トルコではこの事件は教科書に載るほど知られた話になる。よくトルコは親日だという話を聞くが、このエルトゥールル号事件が大きく影響しているといっても過言ではない。

実際、1985年のイラン・イラク戦争時、イランから日本人を脱出させるために飛行機を派遣してくれたのがトルコになる。その時に「私たちはエルトゥールル号の借りを返しただけです」と言った駐日トルコ大使のネジアティ・ウトカン氏の言葉は有名である。

私がトルコを訪れたのは、インターネットが普及していない1990年代。私が日本人と分かると、この話を持ち出す人もいた。とはいえ、大半は日本の援助で出来上がったばかりの第二ボスポラス大橋と、トヨタやヨコハマなどの車関係のメーカーの話だったが・・・。

イスタンブールの重厚な町並みの写真
イスタンブールの重厚な町並み

逆に日本人の場合は、トルコについて知る人は少ない。いや、かつてはトルコ=性風俗とイメージする人が多かった。今ではありえないのだが、風俗(ソープランド)の名称をトルコ風呂と名付けていた時代があったのだ。

おかげで学生時代、バイト先の店長に「夏休みはトルコに行ってくる」と、言うと、「青年、いよいよ風俗デビューか」などと言われたものである。

でも、阪神淡路大震災の後、1999年に起きたトルコ北西部地震(イズミット)。そして2002年のワールドカップ日韓大会での対戦により、トルコについての報道が増え、理解が進んだように思う。そしてトルコに興味を持つ人が増え、トルコを訪問する人も増えていった。

紀伊大島 カフェの店頭でくつろぐ猫たちの写真
カフェでくつろぐにゃんこたち

Kii Oshima(紀伊大島),Wakayama Jul.2007

私にとってトルコは初海外一人旅の地。強い思入れがあるので、話が長くなってしまったが、トルコ記念館や灯台へ向かう道を歩いていると、途中にあるお店(現在では串本町トルコ文化協会になっている模様)の前で猫たちが無防備に寝ていた。

これが最近ボチボチ耳にする猫カフェというものか。初めて見た。この当時(2007年)は、猫がいるカフェ、いわゆる猫カフェが各地にでき、ブームになりつつあった。このような辺境の地で猫と戯れながらソフトクリームを食べるのもいい思い出になりそうだ。

ちなみにトルコのアイス(ドンドゥルマ)は餅のようによく伸びることで有名だ。販売員が延びるパフォーマンスをしてくれたりもする。面白いので機会があれば口にしてみるといい。

店先で佇むにゃんこ(トルコ)の写真
店先で佇むにゃんこ(トルコ)

インターネットなどのニュースなどから、トルコは猫にやさしい国といったイメージを持っている人が多いだろう。実際、トルコに限らずイスラム教の国々では宗教的に猫を大事にすることが多く、町中で猫をよく見かける。

一方、犬は不浄の生き物となる。なので、イスラムでは犬はあまり大事にされていなく、町を歩いていてもあまり見かけることがない。

アヤソフィアとわんこ(トルコ イスタンブール)の写真
アヤソフィアとわんこ(イスタンブール)

しかし、トルコではイスラム教でありながら猫ほどではないにしても犬も大事にされていたりする。このへんはアジアとヨーロッパが交差する国。いわゆる文明の十字路といった感じ。イスラムでありながらイスラムっぽくない部分も多いのがトルコの魅力だと思う。

例えば、トルコでは女性が露出の多い水着を着て、普通に海水浴などをしていた。これはトルコを訪れて驚いたことだった。

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