旅人が歩けばわんにゃんに出会う
海外編 タイ
タイで出会った猫や犬の写真を紹介しています。
1、長距離鉄道とわんこ(2000年10月)
旅の移動手段は様々ある。飛行機、フェリー、鉄道、バスなどといった公共交通機関、自家用車やバイクなどの乗り物、或いは自転車や徒歩といった自力で移動する人もいる。
旅の核心は楽しく移動すること。それぞれの移動手段には、速さ、便数、手軽さ、値段、疲労感、情緒、やりがいなど、メリット、デメリットがあるので、好みや利便性を考慮して選べばいい。
旅の移動手段の中でも古くから根強い人気があるのが、鉄道。鉄路での移動には情緒があり、特に夜行列車の旅には独特の旅情を感じる人が多い。
しかし鉄道の旅というのは、アジアでは意外と難しい。その理由は、単純に線路網が全国に整備されていなく、行きたい場所に行けなかったり、踏切などのインフラの整備されていなく、スピードが遅く、バスに比べ膨大な時間がかかったりと、様々。2000年時だと、長距離鉄道をまともに利用できる国は、タイとインドぐらいだった。
タイでは長距離列車網が整備されていて、夜行列車の本数が多い。寝台車も連結されていて、旅情を楽しむことができる。が、寝台は人気があるので、早めに予約しないと、座席の予約しか取れないということも多い。
座席の場合、最新の車両だとリクライニングの付いた座席になるのだが、古い車両だと垂直に固定された座席となる。しかも日本人よりも小柄なタイ人サイズになっているので、強烈に狭い。なので、一晩乗ると身体が痛くなる。
昔の日本の夜行のことは知らないが、SLが客車を引っ張っていた時代はこんな感じだったのだろう。私の時代では、高校の時に乗った大垣行き夜行を思い出す。
インドネシアの旅を終え、マレーシアの東海岸に立ち寄った後、タイに入国。スンガイコロクからバンコクへ一気に夜行列車で移動することにした。
当日に切符を購入したので、寝台は取れず座席となってしまった。窓から出発前のホームを覗くと、出発前の賑やかなホームにワンコを発見。ワンコも旅もしたい・・・といった感じではなく、弁当などのおこぼれを頂戴といった様子だった。
ワンコも気になったが、それよりも出発前の列車に取りつく怪しい人たちの方が気になってしょうがない。運んできた荷物とともに、一生懸命、列車の下でごにょごにょと作業をしているのだが、どうみても正規の作業員ではない。
これって密輸ってやつでは・・・。何でもありのお国柄なので、少々のことでは驚かない。本当におおらかな時代だった。現在だったら、爆弾テロの恐れがあるってな感じで、即、通報されそうだ。
2、電車を待つわんこ(バンコク 2001年9月)
バンコク市内を歩いている時のこと。駅のホームを見ると、なんとワンコが列車を待っているではないか。
分かりにくいので、アップにしてみる。人間に交じって電車の到着を待っている。微笑みの国ということで、野良犬にやさしい国ではあるが、ここではワンコも鉄道に乗ったりするのか・・・。
ってなことはない。よく見ると、ホームで待っている人たちの様子に違和感を感じるだろう。そう、みんな電車を待っているという感じではない。みんな夕涼みをしているのだ。ワンコも人間に交じって駅のホームで夕涼み中。ってな感じになる。
この場所はバンコクの中央駅となっているフアランポーン駅の北側、線路が分岐する地点。ヨマラート交差点付近にある。
この付近は線路沿いに家が建ち並んでいて、ちょっとした集落を形成している。簡潔に言うなら貧困街になるのだろうか。
生活の場のすぐそばを列車が通過していく様子は、非日常的で面白い。日本ではまず見ることのない風景なので、物珍しく感じてしまう。が、あまり興味本位で訪れる場所ではなさそうだ。
3、アユタヤ遺跡とわんこ(アユタヤ 2000年10月)
タイには多くの王朝時代の遺跡がある。その中でも世界遺産になっているのは、「古都アユタヤ」「古代都市スコータイと周辺の古代都市群」。
アユタヤ遺跡は、1350年から約400年間栄えたアユタヤ王朝の都の遺構になり、広大な範囲にわたって遺跡が点在している。
バンコクにほど近い立地から、ツアー旅行の定番コースになっていて、日本人のツアーには必ず組み込まれているといっても過言ではない。きっとタイを訪れた人のほとんどが訪れているのではないだろうか。
その理由は、遺跡が壮大で素晴らしいのはもちろんだが、かつてアユタヤ王朝が栄えていたころ、ここには日本人が暮らす日本人町があり、日本に馴染みがある土地だから。
当然、日本人町もツアーに組み込まれているのだが、訪れると日本人だらけ・・・。日本人専用の観光地ってな感じの場所だった(2000年ころの話)。
広大なアユタヤ遺跡をどう回るか。ツアーで訪れると、何も考えずに連れて行ってもらえるが、個人で訪れる場合は悩む。現地で手軽にツアーに参加するという手もあるが、せっかくの個人旅行。自転車を借りて回ってみることにした。その時に出会ったワンコなどの写真を載せてみよう。
アユタヤ遺跡を回っていると、それなりにワンコに遭遇する。誰もいない場所でワンコに遭遇すると、大丈夫だろうと思いつつも、ちょっと身構えてしまう。犬が苦手だと、結構怖いかもしれない。
アユタヤ遺跡の特徴は周囲を川に囲まれていること。川辺の風景は、水上家屋が並んでいたりと、東南アジアらしくて素敵だ。
川辺ではペットボトルを咥えて泳いでいるワンコに遭遇。浮き輪代わりなのか。ゴミ拾いをする賢いワンコなのか。たんに遊んでいるだけなのか。いろいろ想像が膨らむ。
アユタヤでは、犬よりも象の方が似合う。砂漠でラクダに乗るのと同様に、南国の雰囲気満点の遺跡を象に乗って回るのも、いい思い出となるはず。
実際に乗った人の話では、象の背中の上はかなりの高さになり、おまけに揺れるので、落ちたらどうしよう・・・・と、慣れるまで怖かったそうだ。
4、猿の町、ロッブリー(ロッブリー 2000年10月)
タイは微笑みの国と言われる。人々は優しく、寛容で・・・などと思うかは、まあ出会った人次第になるだろう。
ただ寛容な部分は事実で、とりわけ動物に対しての寛容度は日本と比べ物にならない。町を歩いていると、野良犬や野良猫を目にする機会が多い。
そんなタイでは猿が人間と共存している町があるということで、訪れてみることにした。
訪れたのはロッブリー。アユタヤよりも少し北に位置している。
町を歩くと、猿だらけ・・・ということはなく、ロッブリー駅の北側にあるプラカーン祠及びプラーンサームヨート遺跡がねぐらとなっていて、その周辺に猿が多いといった感じ。
歩いていると、屋台の横で何かをもらえないかと、猿たちが待っていた。その様子はなかなか微笑ましく、まるで猫や犬のよう。このように大人しければ。猿も可愛らしく思える。
プラーン サームヨート遺跡を訪れてみると、猿の遺跡と化していた。日本でこういう場所を訪れると、持ち物に注意しましょう。特に眼鏡をかけている人は気を付けてください。と、注意を受けるのだが、ここではそんな注意書きはない。というより、あまり猿たちは人間に関心を寄せてこなく、そばを歩いても無関心といった感じだった。
それにしても・・・、少々猿がいるだけなら、「わぁ~、猿がいる。面白い。」とか、「猿がいると南国的な雰囲気がしていいね。」などと好意的に思うのだが、沢山の猿が遺跡を占拠するようにいると、結構怖く感じる。
圧倒的な多数に対して、一人。「人間、何しにやって来た!」というような、自分が異物的な存在に感じ、怖く感じるのだ。
猿がいる町も面白いものだ。猿は犬や猫よりも悪さの度合いが強そうで、共存が難しそうに感じるが、遺跡やその周辺以外では猿に出会う事もなかったので、ここではうまく共存で来ているようだ。さすが微笑みの国タイだな・・・と感心して後にした。
しかし、この後、観光客に拠る餌付けが一般化し、猿が激増。更には新型コロナウイルスの影響で観光客が激減し、猿が暴徒化してしまったとか何とか。微笑みの国のタイ人をもってしても、やっぱり猿と共存するのは難しいようだ・・・。
5、カンチャナブリのわんにゃん(カンチャナブリ 2001年8月)
バンコクの西、ミャンマーとの国境がほど近い場所にカンチャナブリの町がある。田舎の地方都市といった感じで、のどかに感じるタイでも一層のどかに感じる。
町を歩いていても、さりげなくわんこが歩いていて、風景に同化していたりする。
散策していると、カンチャナブリ名物の猫の丸焼き・・・、ではなく、日本で言う七輪みたいな物の上で寝ている猫を発見。
寝心地がいいのだろうけど・・・。こんなところで寝なくても・・・。と思ってしまう。というより、こういうのを見ると、無性に火を点けてみたくなるいたずらっ子もいるはず(実は私・・・)。ニャンコよ。気を付けるのだよ・・・。
カンチャナブリといえば、映画「戦場にかける橋」で有名なクウェー川鉄橋がある。第二次世界大戦中、日本軍が隣国のビルマ(現・ミャンマー)との間に鉄道を敷設していくのだが、クウェー川やその周辺での工事は難航を極めた。
工事に当たったのは捕虜や現地の人。工事を急ぐあまりに過酷な労働となり、更にはコレラが蔓延するなど、多くの犠牲者を出すことになる。その実話をもとに、戦争の愚かさや捕虜の尊厳を描いたのが「戦場にかける橋」になる。
日本人には少し耳の痛い土地になり、戦争博物館などを見学すると、日本で思っている以上に戦争について深く考えさせられるはずだ。
言葉の響きのよさに「平和」を口にする人が多いが、戦争を学んだり、こういう逆の立場の人の体験を知ってから口にして欲しいと、海外に出てからは思うようになった。
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