佐渡島一周ツーリング記
#4 佐渡島上陸
2003年8月、友人と2人、1泊2日の行程で佐渡島一周を試みた時の旅行記です。(全17ページ)
7、佐渡島に上陸
佐渡と新潟を結ぶ航路は3つあり(現在は2つ)、一番船の便が多く、人の往来が多いのが、新潟港と佐渡の両津港を結ぶ航路になる。そういったことから佐渡の玄関といえば両津港となる。
その両津港に船が接岸し、無事に佐渡島に到着した。乗船の時はバイクが一番最初だったが、到着時は一番最後。車やトラックの排気ガスが漂う船内をゆっくりと走り、船から外に出た。
船から外に出ると、佐渡のスカッとした青空に迎えられて・・・とはならなく、薄曇りの空が広がっていた。今日の天気予報は晴れの予報。雨を心配するような空模様ではないので、これはこれで強烈な日差しが緩和されていいかもしれない。きっとそのうち雲が取れ、晴れ間がのぞくことだろう。
とうとう来てしまったな。佐渡に。佐渡の地にバイクとともに降り立ってみると、これからの旅に気持ちが昂ってくるのがわかる。この高揚感のまま、今すぐにでも佐渡島を走り出したいところだが、無計画に当てもなく走り出すわけにはいかない。
一番の懸案事項は今日の宿。昔、八丈島を訪れた時、シーズンオフだったこともあって宿探しにえらく苦労してしまった。何軒も断られ続ける惨めさときたら・・・、筆舌に尽くしがたい。離島には特殊な旅事情があるかもしれない、と考えておいたほうがいい。
その教訓を活かし、宿の紹介と、観光情報の入手も兼ねて、港にある観光案内所を訪れてみる事にした。
観光案内所はフェリーターミナル内にあり、きれいなお姉さんが一人で業務をしていた。先客がいたので、その人の対応が終わったら私たちの番。
佐渡の観光マップなどをもらい、だいたいこの辺で泊まればいいかな・・・と地図を見ながら思い描いていたのが「小木」だったので、「小木周辺で泊まりたいんですけど。宿って予約したほうがいいですか?」と聞くと、「アース・セレブレーションに参加する為に来たのですか?」と予想外の返答が返ってきた。
ん、なんじゃそれ?直訳すると、地球の祝賀会。ってことは、地球に祈る会?もしかして怪しい宗教行事とか・・・。すぐ頭に、1万人でヨガ大会とか、地球のために1万人で祈る瞑想大会といった図が頭に浮かんでしまった。
「いや、バイクで佐渡島を一周しようかなと思って来たんですけど・・・」と、とまどいながら答えると、「そうなんですか。それは凄いですね。頑張ってください。」と目を輝かせて返答してくれた。お世辞でもうれしい・・・。う~ん、うっとり。
そして「小木周辺はフェスティバルで宿が混みあっているから、バイクだし、少し離れた所に料理が美味しい宿があるから、そちらにしたほうがいいですよ。」と言い、小木にある民宿を勧めてきた。
友人に確認するものの、そういったことは全部私に任せるといった態度。まあ特に断る理由はないし、料金も一般の民宿の値段だし、一晩寝るだけだし・・・。「そうします。」と返答すると、さっそく電話をして予約を入れてくれた。なんか綺麗なお姉さんの言いなりってな展開だな・・・。
それよりも、なんだ、そのアースなんとかって。やっぱりヨガ大会とか、宗教関係の行事なのか?さっきからそのことが気になってしょうがない。疑問は聞いてみるべし。
尋ねると、小木で昨日から明日まで開かれている国際的な和太鼓の祭りとのこと。なんだ太鼓か。普通の行事と判明したことにホッとしたような、ガッカリしたような・・・。
しかし何で佐渡で和太鼓なんだろう。太鼓の名産地なのかな。そういえば昨年の長野オリンピックで演奏された和太鼓の勇壮さに感化されたとかで、世界的に和太鼓ブームが起きているとかなんとか・・・、ニュースで言っていたような・・・。よくわからないけど、宿から近い事だし気が向いたら見に行ってみるか。
案内所のお姉さんにお礼を言って外に出た。宿が決まったのでこれで一安心。佐渡の地図や観光パンフレットももらったので、佐渡一周の旅もはかどるだろう。よしっ、準備万端。これで心置きなくツーリングを始められる。
バイクのところに戻ろうとすると、港に面白いものを発見。それは佐渡のおけさをイメージした電話ボックスだった。
これはいい佐渡の上陸記念になるぞ。写真を撮っておこう。佐渡島に到着して最初の写真が電話ボックスの写真とは・・・、何か違うような気もするけど、まあいいか。旅は楽しくなくてはな。
#4 佐渡島上陸 「#5 北端を目指して」につづく