佐渡島一周ツーリング記
#5 北端を目指して
2003年8月、友人と2人、1泊2日の行程で佐渡島一周を試みた時の旅行記です。(全17ページ)
8、旅の目標
せっかく遥々東京から佐渡を訪れるのだから、しっかりとした旅の目的とか、目標が欲しい。こういった目標を設定すれば旅の筋がしっかりとし、旅の最中の楽しさや、終わった時の達成感が違ってくるというもの。ということで、このツーリングにはいくつかの目標を設定してやって来た。
で、今回の佐渡島ツーリングの第一目標としたのが、ありきたりながら佐渡島をぐるっと一周する事。離島を一周回る。とても単純なことだけど、征服心や旅心を刺激し、想像するだけで何かワクワクしてくる。
現在いるのは佐渡の真ん中に位置する両津港。ここからなら、北回り、南回り、右回り、左回りと自由に進路を取ることができる。
帰りのフェリーもここ両津港から乗るので、どのように一回りして戻ってこよう。選択肢が豊富だと迷うが、やっぱり最初は最北端を目指して・・・といった感じの方が、何かワクワクさが増す。
さっき南端近くの小木に宿の予約を入れた事だし、出発前に立てた計画通りに、まずは北へ向かい、反時計回りに佐渡島を回っていくことにした。
今晩の宿も決まったことだし、今度こそ張り切って佐渡ツーリングを始めよう。いざ出発・・・。と、いきたいところだが、この先どこにガソリンスタンドがあるのか分からない。心配だからと友人が給油することにした。
佐渡にやってきて、走りだす前に給油するライダーもなかなかいない。「地域貢献の鏡だな。色々と貴重な存在だよ。君は。」と茶化しつつ、給油を入れ終わった友人に値段を聞いてビックリ。離島という事を考えるとしょうがないのだが、東京よりも20円以上も高い・・・。
やっぱり新潟で満タンにしておけばよかったな・・・と友人に申し訳なく思っても、後の祭りというやつ。高いからって入れないわけにはいかない事だし、そのうち私も入れなければならない。覚悟しておこう・・・。
9、北端を目指して
友人が給油を終えると、今度こそ佐渡島一周目指して出発。まずは佐渡島上部の東側、内海府海岸沿いを北へ向かって走り出した。
走ってみると、観光に力を入れているのか、はたまた新潟という土地柄ってやつで政治的影響なのか、思っていた以上に道が整備されていて驚いた。交通量の割には立派なトンネルも多い。
交通量は少なく・・・、いや、ほとんど車が走っていなく、辺りの風景はひたすら続く海岸と素朴な漁村ばかり。信号がなければ、渋滞もない。都市部を走るときのようなストレスを全く感じることがないので、走っていて気分がいい。
最初は二車線だった道も北へ進んでいくと、所々で道幅が狭くなり、集落を見かける回数も少なくなっていった。それとともにだんだんと周りの風景の素朴さを増していって、どんどんと北の果てへ向かっている実感がわいてくる。
印象的な場所で写真を撮ったりしながら北上し、最初の目的地である弾崎灯台に到着した。佐渡の北端に位置する灯台なので、佐渡一周を制覇する上で抑えて置きたいチェックポイントだ。
灯台自体はまあ普通の灯台。中に入れるわけでもないので、写真を撮ったら目的を達成。これで最北端制覇!・・・かな。そういうことにしよう。
弾崎灯台付近の海岸沿いには遊歩道が設置されていて、その先には二ツ亀と呼ばれる巨岩のような島が見えた。次の目的地にしている場所だ。
バイクは手軽な乗り物だが、面倒なのがヘルメットを脱いだり、被ったりすること。なので、ちょこちょこ乗ったり降りたりするのは、何気に面倒だったりする。いい写真が撮れるかもしれないし、少し海岸沿いを歩いてみることにした。
灯台から10分ぐらい歩くと、目の前の眺望が一気に開け、陸から少し離れた沖合に二ツ亀がよく見えるようになった。小島があるというよりは、巨大な船とか生物が浮かんでいるような感じにも見える。
このまま島が沖の方へ移動していって、水平線に消え去ってもあまり違和感がなさそう・・・。そういう意味では生物っぽい雰囲気があり、亀の名がついているのも分かる気がした。
島がよく見える付近は磯遊びをするにはもってこいのようで、辺りの岩場では家族連れが磯遊びやバーベキューをしていた。
お盆をとっくに過ぎているけど、この付近はクラゲは出ないのだろうか。クラゲに刺されたときの痛痒さを知る身としては、ちょっと気になってしまうのだが、楽しそうに泳いでいる感じではいないのかな。
せっかく来たので二ツ亀の岩を背景に記念撮影。それにしても・・・、どうやってみたら亀に見えるのだろう。見る角度が違うのかな。しばらく友人と考えるものの疑問。
ここから見る限りでは恐竜とか、ワニっぽく見える。ゲームセンターのハンマーで叩くワニにそっくりだ。もし佐渡にワニが生息していたらワニ岩って名前になっていたかもしれないな・・・。
#5 北端を目指して 「#6 賽の河原のお地蔵さん」につづく