佐渡島一周ツーリング記
#7 巨大亀の謎解きと感動的な滝
2003年8月、友人と2人、1泊2日の行程で佐渡島一周を試みた時の旅行記です。(全17ページ)
11、巨大亀の謎解き
観光マップを見ると、この先にある見所は大野亀といわれる岩というか、ちょっとした半島のような場所。また亀の岩か~。さっき見た二ツ亀はワニみたいでいまいちだったよな・・・。きっと同じような亀に似た岩があるのだろう。
見所として観光マップに載っているので、とりあえずここを目指すとして、バイクだといちいちヘルメットを脱ぐのも面倒なので、通りながら亀に似た岩を確認するだけでいいかな。そういうことにしよう。ってことで、賽の河原を後にして、佐渡の北側の西海岸を南下していった。
大野亀岩に到着した。バイクにまたがったまま辺りを見渡すのだが、あるのは海にせり出した半島のようなでかい岩山。あのでかい岩山が亀になるなのか?う~ん、これが亀・・・。頑張れば亀の甲羅に見えなくもないけど・・・。ちょっと無理があるのでは・・・。
いまいち何で亀なのかよくわからない。そのまま通過していこうと思ったのだが、ここは今まで訪れた場所とはちょっと雰囲気が違っていて、駐車場は広いし、きちんと案内板も設置されているし、他に何組か観光客も歩いていた。
もしかして見なければ損というぐらい有名な場所だったりして・・・。そう思うと、見なければ損してしまうのではと、貧乏性の性分やら、好奇心がもたげてくる。やっぱり降りてみよう。と、バイクを駐車場に止めることにした。
バイクから降り、観光客が歩いている方向へ向かってみるものの、そこには大きな岩山があるだけ。あれに登っていくのか、みんな・・・。
しかしどこがどうなって亀に見えるのだ。よくわからん。案内板を見ると、標高167mの一枚岩というのが珍しいとのこと。またトビシマカンゾウの群生地になっているともあるが、あいにくと花の見頃は6月上旬頃のようだ。
案内板を見ただけでは、ここがなぜ亀岩なのかわからない。もしかしたら上に登らないと謎は解けないってやつなのか。半島に突き出ているから眺めはよさそうだけど・・・、ここから見るだけでも結構な高さがある。しかも角度がやばく見えるんだけど・・・。
どうする?と、相談するまでもなく、時間的にも体力的にもあんな高いものに登ってられん!少々亀に見えなくても構わないという結論になった。
岩山に登るのはあきらめたけど、せっかくバイクから降りたので海岸まで歩いてみることにした。
ここからはさっき見てきた二ツ亀の島や賽の河原がよく見える。ここから見ると二ツ亀の島は亀の甲羅が二つ浮かんでいるように見え、2匹の亀が海を泳いでいるように見える。
二ツ亀の名前からするとここから見るのが正しいのだろうな。さっき感じた「亀にしては・・・」「なぜ二ツ亀なの・・・」とういったモヤモヤが晴れ、少しすっきり。そんなことを思いながら淵まで行くと、そこは断崖絶壁。結構な高さがあり怖い。落ちたらシャレにならない・・・。
バイクに戻って出発した。いまいちよくわからない亀だったな・・・。でも、二ツ亀の謎が解けたからいいか・・・。と、右手に大野亀の岩山を見ながら走っていると、だんだんと首が伸びていき、あら不思議ってなもので、亀の頭が出現。
これは・・・亀だ。確かに亀の頭に見えるぞ。見る場所によってこうも違うのか。すぐ間近かで見ても亀だと分からなかったはずだ。この感動をってことで再びバイクを停めて写真を撮っておくことにした。
でもあれに登らなくてよかった。ここから見ると結構な高さがあるし、やばい角度の斜面になっている。改めて英断だったと思うのだった。
このバイクを停めた場所のすぐそばには掘って固めただけといった原始的なトンネルがあった。東京から来るとこういったトンネルに古き時代の情緒を感じてしまう。
バイクを降りたついでだし、最後の一枚だし、写真を撮っておくか。でもなんだかこれはインスタ映えしそうだな・・・ってこの時代はそんなものなかったな。んっ、フィルムが巻き戻った。新しいのに交換しておこう。
無事に大野亀岩の謎が解けたので、心の中にあったモヤモヤが晴れた。こういった謎解きのある観光もなかなか楽しい。ゲームでいうならクエスト完了といった気分になるだろうか。
ってことで、気分良く出発。少しバイクを走らせ、北鵜島公園で停車した。ここは舟かくし岩として知られている。なんでも舟に税金がかけられてた時代、税金から逃れようとこの岩陰に舟を隠したことから、その名がついたようだ。
岩場に降りてみると、岩場を縫うように遊歩道が整備されていた。こんなところに遊歩道を設置するとは、佐渡の観光もなかなか気合が入っている。
せっかくだから歩いてみるか。と歩いてみるものの、さっきから岩や海岸ばかり。いい景色だし、海もきれいだし、とても素敵な風景なんだけど・・・。こういった岩ばかりの風景に少し食傷気味になっていた。
さっきの大野亀もここからも見ることができた。ここからだと更に首が伸びてまるで首長恐竜みたい。亀が恐竜になったぞ!って感動があるかといえば、もうない。あっそうですかといった淡白な気分になってしまっている。
そろそろちょっと違った種類のものが見たい。そんな心境だったので、さっと回ってバイクのところへ戻った。
12、感動的な滝
ここからは外海府海岸をしばらく寄り道をせずに南下。そして海府大橋を越え、跳坂と呼ばれる峠道を登り、岩屋口橋に差し掛かったところでバイクを停めた。
この岩屋口橋が凄い。なんと橋のすぐそばを五段の滝が流れている。しかも下を見ると、超絶的な高さ。半端な高さではないので高所恐怖症の友人にいたっては海側の端に行く事さえ出来ない状態。
いや、高所恐怖症でない私でもかなり腰の引けるような高さだ。何より手すりが低いのであまり近づきたくない。
ほんと、よくこんなところに橋を造ったもんだ。素直に関心してしまう。でも大雨の時は大丈夫だろうか。増水した滝の水が橋にもかかってきそう。場合によっては橋が滝の水圧で落下ということも・・・。
色々と話題に事欠かなさそうな橋だが、こんな佐渡の目立たないところに埋もれていていいのだろうか。もっと有名になってもいい橋ではないだろうか。ちょっと思ってしまった。
その後は尖閣湾などを見学しながら、外海府海岸を南下していった。海を見ながらの道中で、海岸側は岩がごつごつした風景がずっと続いていた。
名のある岩にはなんとか岩といった案内板が設置されていたが、もういいかとパス。困ったことに、どれも形は違えど同じような岩に見えてしまう・・・。
尖閣湾を過ぎると、道沿いにひまわり畑が幾つかあった。畑一面のヒマワリがこっちを見てる・・・。ひまわりに誘われるようにバイクを停車し、少しひまわり畑を散策してみた。
賽の河原のお地蔵さまと一緒で、これも見方によっては気持ち悪く感じるけど、ずっと海岸ばかり見てきた後だからか、ひまわりがとても新鮮に感じる。そして何か癒される。
もしかしてこのひまわりは北側の海岸をぐるっと回ってきた人への心遣いだろうか。ふと思ってしまうのだった。
#7 巨大亀の謎解きと感動的な滝 「#8 佐渡金山の金塊」につづく