旅人とわんこの日々 タイトル

旅人とわんこの日々
世田谷編 2004年Page15

ワンコのいる日常と旅についてつづった写真ブログです。

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19、スマトラ島沖地震(2004年12月27日)

インドネシア付近の地図(国土地理院地図)

国土地理院地図を書き込んで使用

今年も間もなく終わるな・・・。来年こそはいい出来事やいい縁があればいいな・・・といった感じで、年の瀬を忙しく過ごしているところに、突然大きなニュースが入ってきた。

インドネシアのスマトラ島沖で大きな地震が起き、津波も同時に発生し、大きな被害となっている模様。

昼間に入ってきたニュースで、最初に耳にした時は、ちょっと大きいやつがきて、結構被害が出ていそうだな・・・。まあインドネシアは日本と同じ火山国なので、こういう災害が起きてしまうのはしょうがない。死者が多くなければいいがな・・・と思っていたのだが、仕事を終え帰宅してみると、周辺の多くの国に大きな津波が押し寄せたようで、被害はインドネシアだけではなく、隣のタイ、マレーシア、そしてインド洋を隔てたインド、スリランカにも及び、全容把握が難しいほどの甚大な災害となっていた。

津波のイメージ(*イラスト:acworksさん)

(*イラスト:acworksさん 【イラストAC】

一夜明けてみると、さらに多くの被害が確認され、インド洋上に浮かぶ島々とは連絡が取れなく、被害の把握が全くできない状況とのこと。死者の数も膨大な数になりそうな雰囲気・・・。とんでもない大災害が起きてしまったものだ。

報道は当然、この地震関連一色。混乱は東南アジア諸国だけではなく、この地域に工場がある企業、この地域と貿易や取引をしている企業にも及び、世界的に混乱している様子だった。

落ち込むイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

本当に今年は災害の多い年だ。テロといった暗いニュースも多かった。色々と嫌なことも多かった年だったけど、もう何事もなく終わり、来年はそういったニュースを耳にしないようないい年になればいいな・・・と思っているところへとどめの一撃。ほんとうんざりというか、やるせないというか、気分の落ち込みもひどい。

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地震の震源地はインドネシアのスマトラ島沖になる。インドネシアという国は赤道付近に位置する熱帯の国で、宗教はイスラム教。あまり日本と共通点がない国と思っている人も多いかと思うが、日本と共通点が多い国である。

まず日本と同じ島国であり、地震や火山が多い国になる。気候は南国の熱帯雨林になるなので、その部分は大きく違うが、漁業と米作りが盛んなのは一緒。また、今の日本では減少してしまったが、タバコが好きで喫煙率が高い部分も似ている。

この他にも祭りの文化が多いのも一緒で、日本の神楽みたいなラーマーヤナ演劇が祭りの奉納演芸で演じられたりする。

田園風景の写真 インドネシア
田園風景
停留中の漁船の写真 インドネシア
停留中の漁船
火口湖のの写真(カワ・イジャン) インドネシア
火口湖(カワ・イジャン)

今回のスマトラ島沖地震の被害が大きかったスマトラ島やマレー半島へは2000年のユーラシア大陸横断の時に訪れた。

マレー半島2000キロを自転車で踏破するぞ!と試みて、一日で自転車が盗まれてしまって断念したり、インフラの整っていないスマトラ島横にあるシベル島で10日間のジャングル滞在をしたりと、とても思い出が多い。

自転車の旅 ジョホール水道
シンガポールとマレーシアの国境で

色んな国を見て回ることは、様々な知識や経験が入り、いいことだらけのように思えるが、あちこち旅をした弊害というか、あちこち旅して回ったことでの悩みもある。

例えば自分の故郷で大きな事故や災害が起きたら、いてもたってもいられなくなると思う。また学生時代に暮らしていたとか、転勤で数年暮らしていた土地に関しても、自分に何かできることはないだろうかと、思うところは大きくなる。

訪れたことがない土地でも、親せきや友人が暮らしている場所で災害が起きたら、やっぱり心配になり、そわそわするものだ。

その延長になるが、旅で訪れたことのある場所で大きな災害が起きると、やっぱり気になってしょうがないし、被害の様子が映像で流れ、見覚えのある風景が酷いことになっていると胸が痛む。

あちこち旅をする弊害を上げるとすれば、こういった災害で心痛む機会が増えるということ。知らなければよかった。出会わなければこんなに苦しい思いをしなくて済んだのに・・・などということは、ドラマでよく聞くセリフだが、旅でも同じである。

特徴的な屋根を持つ伝統的家屋の写真 インドネシア
特徴的な屋根を持つ伝統的家屋

今回の地震の震源地となったスマトラ島北部では、面白い形の屋根をした家屋を見ることができる。屋根の左右が反りあがっているといった感じで、身分とか格式があがると、それが幾重にもなるといった感じだ。

この屋根は船の舳先を表していて・・・と思ったら、水牛の角を表しているとのこと。この地域に住む人はミナンカバウ人。猛牛への勝利を意味している。

これだけ屋根が大きいと地震が起きたときに屋根の重さで崩れてしまわないだろうか。そんな心配をしてしまうが、ここでは木造建造物が多いし、立派な建物は日本の寺社と一緒で、しっかりとした造りをしているので、そこまで多くの被害ではなかったようだ。

伝統的な屋根を付けたショッピングセンターの写真 インドネシア
伝統的な屋根を付けたショッピングセンター

ただ、コンクリートで造った場合はそうでもない。パダンの町にあるショッピングセンターは、この大きな伝統的な屋根を取り付けて造られていた。

とてもユニークで印象的な建物ではあったが、日本人目線では大きな屋根の割には柱が細いのが気になった。もし地震が起きたら・・・。

今回の地震では津波の被害が大きかったが、地震で崩れた建物も多い。その一つがこのショッピングセンターの屋根。ニュースで流れていて、それを見ると、やっぱりな・・・という思いと、やるせない気持ちが混じり、つらいものがある。

20、大晦日の大雪(2004年12月31日)

バイクツーリングの写真

年の瀬、今年の夏に佐渡へ一緒にツーリングに出かけた友人が、「元旦に暇をしているのなら、バイクで初日の出を見に行かないか・・・」と誘ってきた。

目的地は静岡の御前崎。世田谷からだと、箱根を越えて、沼津を越えて、更に富士市、静岡市と越えた先。ちょっと遠い・・・。いや、思いっきり遠い。

地理院の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

しかも冬の夜中の道行になるので、風を切って走るバイクだと激寒、極寒、狂寒・・・。これって狂気の沙汰ってやつではないのか。

寒い中、そんな遠くまで初日の出とはいえ、朝日を見に出かけるのは面倒だ・・・。正直、あまり気が乗らない。とりあえず「仕事の日程を確認してみる」と言い、返事は保留にしておいた。

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私が育ったのは、冬に晴れることがない日本海側。というのはちょっと言い過ぎだが、日本海側だとビックリするぐらい元旦の朝は晴れない。

しかも日が昇る南東側に山脈があるので、海から登る朝日を見られる場所もなく、子供のころから初日の出が話題になることがなかった。

初日の出を見るといった習慣がなかったので、今回の誘いを受けたときは、「えっ、初日の出・・・。近くならまだしも、わざわざ寒い中をバイクで遠くまで見に行くなんて、マジ何考えてんの・・・」と、食指が動かなかった。

初日の出のイメージ(*イラスト:tlaboさん)

(*イラスト:tlaboさん 【イラストAC】

でも、「一年の計は元旦にある」と、よく言う。それを旅に当てはめると、「一年の旅は元旦にあり」ってな感じで、元旦から旅に出ると、この一年の旅がうまくいきそうに思える。

しかも一年の最初の旅が、極寒の中、わざわざ遠くまで初日の出を見に行くというのが、意味不明で・・・、いや、なにか崇高な旅といった感じで、色々と福を呼び込みそうに思える。

それに、極寒の中を朝日を見るためにバイクで移動するというのは、移動が本分である旅人の資質が試されるようでいい。初日の出をバイクで見に行く旅こそ、真の旅人、そして真のバイク乗りにふさわしい旅ではないか。そう考え始めると、旅心やら好奇心がどんどんと膨らんでいく。

それに一人ではなく、一緒に進む友人たちがいる。コンディションは悪いが、何かあっても助け合える仲間がいる。旅は道連れ世は情けってやつで、楽しい旅になるかもしれない。いっちょやってみるか。ということで、友人に参加の連絡をした。

天気予報のイメージ(*イラスト:ニッキーさん)

(*イラスト:ニッキーさん 【イラストAC】

初日の出ツーリングか。楽しみだな。もしかしたらこの未知なる旅が人生の新しい扉を開くキッカケになるかも・・・などと大袈裟に考えると、元旦になるのが待ち遠しくてしょうがなくなってきた。

しかし、元旦に向けて高まる私の気持ちとは裏腹に、元旦が近づくにつれて天気予報はどんどんと下り坂。30日になってみると、なんと明日の大晦日から雪が降り、積雪となる可能性が高いという予報になっていた。

大晦日になってみると、無情にも天気予報通りに雪が降ってきた。しかもしっかりと積もってしまい、東名高速道路は通行止め。当然、初日の出を見に行くバイクツーリングは中止となった。

雪の砧公園の写真
雪が積もる砧公園

私にとってはとんだ大晦日の大雪となってしまったが、世間では珍しい大晦日の積雪となり、ホワイト元旦になるのではと盛り上がっていた。

我が家のチャーミーも雪が好きだ。外に連れだしてみると、気持ちよさそうに歩き回っていた。

雪の中のビアデッドコリーの写真
雪の中のビアデッドコリーの写真

でもこの犬の場合、長い毛に雪が絡まり、雪玉だらけになってしまうのが難点。細かい犬の毛に絡んだ雪は、思っているほど簡単に取れない。

適当に拭いて、まあいいだろう・・・なんて家に入れてしまうと、室温で雪が溶け、家の中がビシャビシャになるといった笑えない展開になる。

まあ年越しだし、時間もあるし、風呂に入れてしまうか。と、そのまま風呂に入れてやった。

予定外にさっぱりとして新年を迎えることとなったのだが、本人は風呂が嫌いなので、ちょっと不満そうだった。

1994年の大雪の時 雪の中のビアデッドコリーの写真
1994年の大雪の時

ちなみにこの写真は、1994年2月13日の大雪の時のもの。この時のチャーミーは生後半年ほどで、まだしっかりと毛が伸び切っていない状態。

チャーミーにとっては最初の冬になるので、雪も初体験。なんだ。この白い物体は~~~といった感じで、雪の中で大はしゃぎしていたそうな。

チャーミーが雪の中で大はしゃぎし、親が楽しそうに写真を撮っているこの時、私は雪で交通が混乱するの中を大学入試テストを受けていた。

受験のイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

交通が混乱していたので、試験は最初1時間遅れと言っていたが、さらに開始時間が延びて1時間半遅れでスタート。

電車が遅れれば気持ちが焦る。焦れば歩みも雑になり、雪で転びそうになる。時間通りに到着しても、開始時間まで時間があり過ぎると、考えることが多くなり不安が大きくなる。

受験の日が大雪にあたってしまうと、色々な面で気が焦り、なかなか集中できなかった・・・。と、受験に落ちたのを雪のせいにしてみたりする。

1998年の大雪の時 雪の中のビアデッドコリーの写真
1998年の大雪の時

こちらの写真は伝説的な1998年1月15日、成人の日の大雪の写真。

祝日だったので、一般的な混乱は少なかったものの、成人式が大変な事態となり、その映像ばかり流れていたのが印象的だった。

よく犬を連れてくる妹もこの時が成人式で、振袖どうする・・・、長靴履く・・・、やばい、タクシーが捕まらない・・・とまあ、てんやわんやの混乱状態だったそうだ。

今回の雪はそこまでの大雪にはならなく、翌日の元旦にはほとんど溶けてしまった。ツーリングが中止になってしまったので、元旦は雪景色でも楽しもうと思ったのに・・・。残念。

旅人とわんこの日々
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