旅人とわんこの日々 タイトル

旅人とわんこの日々
世田谷編 2005年Page14

世田谷(砧公園)での犬との生活をつづった写真日記です。

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18、テロと大地震(2005年10月上旬)

爆発のイメージ(*イラスト:オトモヤさん)

(*イラスト:オトモヤさん 【イラストAC】

10月1日にインドネシアのバリ島で観光客を狙った自爆テロが起き、23人が死亡、196人が怪我をするといった大惨事になった。バリ島では3年前の2002年にも観光客を狙ったテロが起きている。またか・・・。と、多くの人の中でバリ島は危ないとか、渡航危険地域といった認識になってしまっただろう。

インドネシアは赤道付近に位置する島国。国民の大半がイスラム教で、総人口が多いことから世界一イスラム教徒の多い国としても知られている。

ただ、島ごとに文化が違い、バリ島はヒンドゥー教の文化が強い島で、インドネシアの中でも独特の文化を持った島になる。祭りも日本のように多く行われていて、日本の奉納演芸や神楽に似たラーマーヤナ演劇などが行われたりする。

インドネシアバリ島 農村の祭りの日の写真
農村の祭りの日
インドネシアバリ島 祭りの奉納演芸の写真
祭りの奉納演芸

バリ島は日本の田舎に似た感じの穏やかな雰囲気を持つ島で、文化も豊かで、犯罪も少ない。インドネシアの中でもイスラム色が薄いことも特記すべきで、「バリ島の滞在は素晴らしかった」「エキゾチックな体験ができた」などといった口コミから、外国人観光客が増えていき、気が付けば世界に名が轟く人気のリゾート地となった。

世界中から外国人観光客が押し寄せるようになってみると、あからさまに外国人観光客と地元の人との貧富の差が浮き彫りになった。あいつら信じられないほどお金を持っている。俺たちの年収を一か月で稼いでいる・・・。と。

イスラムの教えに「喜捨」というのがある。豊かな人は貧しい人に施しをしなさい。そういった教えになるのだが、余裕のない立場の人には、豊かな人は貧しい人に施すべきだ。となり、更に過大解釈し、金持ちから少々お金をくすねても悪くない。と考える人も多い。

インドネシアバリ島 海辺の祭りの写真
海辺の祭り

バリ島にはお金持ちの外国人がたくさんやって来ている。彼らはわきが甘い。特に日本人は隙だらけだ。簡単に騙せ、大金を手に入れられる。そういった噂や観光客を騙す虎の巻が他の島に流通しだすと、外国人相手に金儲けをしようと、他の島からバリ島へ愚連隊のような連中が出稼ぎにやって来るようになった。

スリや詐欺などの事件が増え、また宗教や文化の違う愚連隊同士の縄張り争いも増え、近年は少々治安の方がよくないと聞く。とはいえ、まさかテロが起きるとは・・・。好きな島なので、とても残念だ。

結婚詐欺のイメージ(*イラスト:うにここさん)

(*イラスト:うにここさん 【イラストAC】

ちなみに私の滞在していた2000年ころは、日本人女性観光客相手のジゴロがトレンドになっていて、犯罪に巻き込まれるというか、男性に貢いだ挙句、結婚詐欺で騙される女性が多く、大きな問題となっていた。

とはいえ、それはインドネシアやバリ島だけのことではない。世界各地で同じようなことが起きていて、大使館の人を悩ませていた。

この人は騙されているなと思って忠告をしても、恋は盲目なりといった感じで、耳を貸さない人が多い。結婚の場合は個人の自由。本人が結婚したいと言えば、婚姻届けを受理せざるを得ない。で、その何か月か後には、離婚届や詐欺被害届を受理することになり、やっぱりな・・・となるそうだ。

爆弾のイメージ(*イラスト:アポロパパさん)

(*イラスト:アポロパパさん 【イラストAC】

それにしても・・・、今年は異様にテロが多い。2月にフィリピンのマニラで連続爆弾テロ、3月にはカタールで爆弾テロ、4月にはタイ南部のハートヤイで連続爆弾テロ、7月にはロンドンで連続爆弾テロ(52人死亡)、同じく7月にエジプトで同時爆弾テロ(88人死亡)、8月にはバングラデシュで連続爆弾テロが起きている。

何か先の見えない閉塞感とか、大きな厄災の前触れといった感じがして、未来に対して暗くなってしまう。漠然と何とかならないものかと願うのだが、ならないからこう負の連鎖になっているともいえ、無力感やらジレンマを感じてしまう。

大地震のイメージ(*イラスト:三色だんごさん)

(*イラスト:三色だんごさん 【イラストAC】

バリ島のテロから一週間後の10月8日には、パキスタンのカシミール地方を中心としてマグニチュード7.6の地震が発生した。

この地域の建物は日干し煉瓦を積み上げた簡素なものが多い。そういった建物は地震に対して脆弱だ。また、地震発生が朝方で、在宅していた人が多かったというのも被害を大きくした。

日本や多くの国から救助隊が派遣されたものの、広範囲に渡った大地震の前には無力で、結局、パキスタン・インド両国で死者が7万人超に達する大被害となってしまった。余りの死者の多さに言葉もない。

パキスタンは・・・と書きたいが、ユーラシア大陸横断の時は、諸事情によって泣く泣く飛行機で通過してしまった。行ったことのない国である。

風の谷のナウシカのイメージ(*イラスト:スタジオジブリさん)

(*イラスト:スタジオジブリさん)

他の旅行者の話を聞くと、パキスタンでバックパッカーに人気となっているのは、断トツで風の谷のナウシカの世界観のあるフンザ。北部の山岳地域にある風光明媚な土地で、パキスタンに入国したらフンザを目指す人が多い。今回地震が起きた隣の県になり、被害が出ていないことを願う。

また、パキスタンといえば古代インダス文明が栄えた地。遺跡好きとしては、パキスタンを訪れたならインダス文明最大級の都市遺跡モヘンジョダロは絶対行きたいと思っていた。今でも行きたいと思っているが、訪れる日は来るのだろうか・・・。

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とまあ、今年に入ってからテロが多いし、10月に入って立て続けに海外の暗いニュースが報じられている。私がユーラシア大陸を横断したのは2000年~2001年。この頃は比較的世界が平和で良かったと本当に思う。

旅の最中にテロやら災害に遭ってしまうと、頼れる人もなく、途方に暮れることになる。ほんと、旅人はただ旅をしているだけの存在。緊急時には無力だ。

テロ以前のマンハッタン島の写真
テロ以前のマンハッタン島

実際、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の時には、遥か離れたベトナムにいたのだが、インターネットは繋がらないし、テレビでは何も報道されないし、飛行機は止まっているという話だし、一体全体世の中がどうなっているんだ・・・。今何をすべきなのか・・・。旅をこのまま続けても大丈夫なのか・・・。と、かなり心細い思いをした。

離れた場所でもこんな状態だったので、すぐ近くでテロや災害が起きたら、身の危険を感じるほど心細い思いをすることになるだろう。

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