旅人が歩けばわんにゃんに出会う タイトル

尾道にゃんこ#2
桜の季節の尾道にゃんこ
(2019年4月)

桜の季節の尾道散策と、その時に出会ったニャンコたちのスケッチです。

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§1、イントロダクション ~広島の桜~

広島 原爆ドームと桜の写真
原爆ドームと桜

桜の季節になると、様々な情報サイトに桜の開花情報が掲載される。広島の桜スポットといえば・・・、県外の人ですぐに思いつく場所があるだろうか。

よく平和公園や宮島の名を見かけるが、私的には「絶対桜の時期に訪れるべき!」というほど素晴らしいとは感じない。いつもと雰囲気が違っていいよね。桜が満開だし、久しぶりに訪れてみようか・・・といったキッカケになる程度かな・・・と思う。

広島 黄金山の桜の写真
黄金山の桜

旅好きな私がお勧めするのは、高台の丘にある桜。広島は平地が少なく、瀬戸内の海からすぐに急な崖地になっていることが多い。そういった眺めのいい高台にある桜を、瀬戸内の海や島々とともに見れるというのは、他の地域ではあまりない。見下ろす桜を美しく感じるのが、広島の桜の特徴ではないかと思っている。

広島 竜王山の桜の写真
竜王山の桜

例えば、広島市内の黄金山、呉の音戸付近、安芸津の正福寺山公園、三原の竜王山、筆影山など。そして同じように高台の千光寺公園が桜スポットになっている尾道の桜もいいんじゃないだろうか。と、今回、桜の時期の尾道に足を運んでみることにした。

§2、尾道の桜の情景を求めて

尾道 向島から見た千光寺山の写真
向島から見た千光寺山

尾道の対岸にあるのが向島。先に向島の桜スポットである高見山を訪れたので、まずは対岸から尾道を眺めてみた。

向島のフェリー乗り場からは千光寺山の崖地の様子がよく見える。海沿いにはビルが並び、崖地の低い部分には小さな住宅が並び、千光寺のある中腹あたりから、山頂にかけては緑が多い。

桜は千光寺付近にまとまってあるのが分かる。そして山頂にある美術館辺りにも多い。この山頂付近が千光寺公園になる。

尾道 尾道城の写真
尾道城

対岸の尾道に渡り、千光寺公園を目指して崖地を登っていくことにした。空を見上げると、大量の雲がこっちに向かってきている。曇る前に桜を見てしまおう。その後で猫探しをしよう。横道にそれることなく一気に崖の道を登っていき、尾道城へ。

息を切らしながら登ってくると、尾道城の石垣の見事さに圧倒される。なかなか感動的だ。観光での感動の度合いは、そこへたどり着く苦労と、その場所の立地が大きく影響する。そのことを改めて感じてしまう。

尾道 桜と尾道城の写真
桜と尾道城

尾道城から少し登ったところに展望台がある。この展望台から見る尾道城と桜、そして眼下に広がる尾道水道の組み合わせは、なかなか素敵だ。これぞ日本といった光景。もっと広まっていい景色だと思う。

しかしながら、この尾道城は民間が建てた城で、尾道の歴史に所縁があるものではない。しかも現在は廃業し、放置状態。建物の崩壊も進み、あちこちにひび割れができ、屋根のしゃちほこも片方ない。今後取り壊すとか何とかという話なので、桜との共演は今年が最後かもしれない。

尾道 千光寺公園の花壇と頂上展望台の写真
千光寺公園の花壇と頂上展望台

尾道城から更に登り、美術館の横を通り、頂上展望台へ。現在あるのは丸い円形の建物。これも近々建て替えられるそうだ。

なんでも新しい展望台のデザインは公募で決まり、斬新でモダンな感じの展望台に生まれ変わるらしい。次回訪れるときが楽しみだ。

尾道 千光寺公園 頂上展望台からの眺めの写真
頂上展望台からの眺め

頂上展望台に登ると、尾道水道と水道沿いの町並み、対岸の向島の造船所、そして目の前に美術館と千光寺公園の桜を見渡せる。もうちょっと桜が多いと、圧巻な光景となりそうな気もするが、景色自体が素晴らしいので、ちょっと控えめぐらいでちょうどいいのかもしれない。

情報サイトのランキングを信じるなら、千光寺公園の桜は平和公園や宮島とともに広島県内でも上位を争う人気スポットになっている。サイトによっては、堂々の1位に選ばれていたりするが、集計数が少ないランキングも多いので、こういった数字は参考程度として見る方がいい。

でも、この景色を見ると、情報サイトで人気のスポットとなっているのも頷ける。ここまで苦労して登ってきたことによる達成感が感動の度合いを高め、実際よりも評価が高くなっている気もしないでもないが・・・。

§3、猫の姿を求めて崖地の散策

尾道 崖地の路地の写真
崖地の路地

目的を果たしたので、猫探しの散策へ。まずは前回の訪問で衝撃的な出会いをした猫がいた聖域のような場所へ。・・・と思って向かうのだが、場所が分からない。ここ尾道の崖地では、登りながら訪れた場所を、下りながら探すのは意外と難しい。

あれ、どこだったっけな・・・。一回下まで降りれば行けそうだが、先を急ごう。疲れるし、時間がもったいない。

貧乏性なので、コインパーキングに車を止めると、時間が気になってしょうがない。次回来るときは定額制で安い駐車場を調べてこよう・・・。そうすれば時間のプレッシャーを感じずに散策ができる。

尾道 路地のニャンコたちの写真
路地のニャンコたち

で、駐車場の方へ戻るような感じで歩いていると、小道で猫を2匹発見。今日最初のニャンコたちだ。

尾道 眠そうなにゃんこと元気なにゃんこの写真
眠そうなにゃんこと元気なにゃんこ

寝落ちしそうな猫さんと、リードにつながれた家猫さん。家猫さんはこっちへ来たそうにしているが、繋がれているので無理。眠そうな猫さんは私を見ても無関心。余程眠いのだろう。或いは体調が悪いのかな。いずれにしても近づかずにこの場を離れるのがよさそうだ。

尾道 花見をする猫の写真
花見をする猫

歩いていると、前方に猫さんを発見。なんと、熱心に桜の木を見つめている。これって猫の花見・・・。実は、猫にとってもこの時期は心躍るような季節だったりして・・・。

尾道 真剣なまなざしの猫の写真
真剣なまなざし

花見をしている猫さんの横を通っても動かない。前に立っても、真剣なまなざしで桜の木の方を見つめたまま。一心不乱に桜の木の方を見つめ、邪魔するなといったオーラを放っている。

よほど桜好き・・・なわけないか。木に獲物になりそうな鳥でも止まっているのだろうか。或いはお気に入りの猫が見つめる先にいるのだろうか。色々と気になるが、邪魔しては悪い。先に進もう。

尾道 門の前でこちらを見つめる猫の写真
開けてよ~

更に歩いていくと、家の門の前で「みゃ~、みゃ~」と鳴いているニャンコに遭遇。きっとこの家の家主と懇意にしているのだろう。中に入りたそうにしている。その様子はなかなかいじらしい。

カメラを向けてみるが、お前を呼んでいるんじゃない!向こうに行け!といった不機嫌な表情をされてしまった。

尾道 宝土寺の門から眺める猫と桜の写真
宝土寺の門から眺める猫と桜

東へ進んで行くと、道は宝土寺境内へ。この崖地ではお寺と道との境界があやふやになっている場所が多い。道を歩いていると、知らずと境内に入っていることがある。

ここ宝土寺の境内には、猫が何匹もいて、猫好きな観光客が猫たちと戯れていた。山門からその様子を眺めると、なかなか絵になっている。

尾道 宝土寺 桜の木の下の黒猫と少女の写真
桜の木の下の黒猫と少女

桜の木の下で黒猫と戯れる少女。猫さんも優しい人と分かるのか、大人しくしている。桜の季節ならではの光景となるだろう。

少女と戯れていた黒猫は、山門のところにいる私を見つけると、こっちに向かってやってきた。犬を飼っているだけあって、私は動物に好かれやすいオーラを持っている。・・・のかもしれない。

しゃがんで自信満々に迎えたつもりだったが、私の前を素通りし、境内の外へ出ていってしまった。他の観光客が見ている前でのあまりのショックな展開に、膝から崩れ落ちそうになる。なんてことはない。観光客の相手をするのに飽きたのだろう。

尾道 見下ろす黒猫の写真
見下ろす黒猫

門から出た黒猫さんは、「どこへ行こうかな~」と高い塀の上で物色し始めた。

人間、或いはワンコなどの他の生き物だったら、こんな高い場所から落ちたら大変・・・と、この状況にハラハラとしてしまうが、猫だと安心して見ていられる。

尾道 猫の撮影会の写真
猫の撮影会

宝土寺境内には他にも猫がいて、観光客相手に撮影会を行っていた。写真、お願いします。こっち向いてください。ちょっと表情が硬いです。笑顔でお願いします・・・。ってなイメージ。

尾道 続・猫の撮影会の写真
続・猫の撮影会

場所を変え、黒い猫さん、こっちで寝転んで・・・。茶色い猫さんは振り向くような感じで・・・。ってな感じで、撮影会は続いていき、モデルの猫たちは快く観光客の注文に応じていた。

ってことはないけど、大人しい猫でたくさん写真を撮ってもらっていた。

尾道 ガウディハウスの写真
階段下での訴える眼差し

宝土寺の横は千光寺新道が通っている。左右にある石垣が立派で、歩いていると重厚な感じがする。尾道で雰囲気のいい坂道のうちの一つだ。

宝土寺からその千光寺新道に出ると、階段下で猫に遭遇。人に慣れているようで、全く逃げる気配がない。しかも何か訴えるような眼差しを私に向けてくる。

この顔、この場面・・・。我が家には散歩嫌いな犬がいる。目の前に急な坂とか、長い階段があると、こういった訴えるような眼をして抱っこをせがんでくる。

この猫のまなざしは・・・、「何かおいしい食べ物を頂戴」というのが正解っぽいけど、私には抱っこをせがんでいるように見えてしょうがない。猫さん、悪いけど自分で歩いてね・・・。

尾道 坂道の子猫ちゃんたちの写真
坂道の子猫ちゃんたち

猫の視線を振りほどくようにして千光寺新道を登っていくと、階段に4人の子猫ちゃんたちが座っていた。と書くと、ドン引きされてしまうのは承知だが、昭和の時代は当たり前のように使っていた言い回しである。

昭和時代のアニメやドラマを見ると、そういったセリフが出てくるのだが、その時代を生きていても今の感覚で聞くと、痛く感じてしまう。

今の若い人たちが聞くと、私が想像する以上にドン引きするんだろうなと思うのだが、でもここは昭和レトロの町。あえてそういう言葉を使ってみるのも、レトロ感があっていいかもしれない。

坂道に座っている様子は、何かアニメとか、ドラマのワンシーンといった感じ。こういう撮り方が流行っているのか、それとも最近よく聞く聖地巡礼といったやつなのかな。その辺はよくわからないが、猫以外にも様々な楽しみ方があるのが尾道。せっかく尾道にやって来たのならぜひ色々な楽しみ方をして欲しい。

尾道 垣根からこっちを伺う猫の写真
垣根からこっちを伺う猫
尾道 ベンチの下で毛繕いする猫の写真
ベンチの下で毛繕い

千光寺新道を途中まで登り、水平移動をして隣の千光寺通りから降りることにした。千光寺通りの途中には、放浪記の碑が置かれている東土堂ポケットパークがある。ここはよく知られた猫スポットになっていて、猫に遭遇する確率が高い。今日も数匹猫がいて、ベンチの下では猫さんが毛繕いをしていた。

尾道 さあ行くぞ!と振り向く猫のの写真
さあ行くぞ!

先ほど宝土寺にいた猫がここまで上がってきた。毛繕いをしていた猫さんは、その姿を確認すると立ち上がり、さあ行くぞとその猫に目線を送っている。なかなか貫禄がある猫だ。

尾道 猫と小道の写真
猫と小道

兄弟、友人、恋人、その関係性は分からないが、連れだって奥の方へ行ってしまった。我が家で飼っているのがチワワということもあり、大きめの猫2匹が小道をのしのしと歩いていく様子は、結構迫力を感じる。

尾道 空き地でくつろぐ猫たちの写真
空き地の猫

東土堂ポケットパークより上は、家を取り壊したのか、元々畑だったのか分からないが、空き地が多い。その空き地を覗いてみると、猫のたまり場となっていた。

尾道を観光で訪れた人は、立体感のある町並みは、箱庭チックで素敵と感じる人が多いと思うが、実際に暮らすとなると大変だ。

通勤通学があるのなら、毎日この坂を上り下りしなければならない。買い物に行っても、重たい荷物を持って帰るのが大変だし、ゴミ捨ても大変。車を所有するなら駐車場も遠い。そういった不便さ故に、この土地から離れていく人は多い。

更に厄介なのが、建築基準法の接道義務、崖地安全条例による建築行為制限等などの法律。建て替えも制限されるので、家が壊れたり、相続が発生した際に空き地となってしまうことも多い。

尾道 灰色の猫さんの写真
灰色の猫さん

空き地には品よく座る灰色の猫さんがいた。猫の種類は詳しくないが、ペットショップで売られていそうな猫にみえる。

普通の日本猫がいても、外で育った地域猫で、日本の風景の一部、簡単に言えばそういうものだといった割り切り感があるが、こういった特殊な猫がいると、誰かに捨てられたんじゃないか・・・と、ちょっと暗い気分になってしまう。

尾道 家路へつく猫の写真
家路へ

そろそろ日没が近い。そろそろ寝床に帰ろう・・・といった感じで、猫たちが連れだって奥の方へ去っていった。

私も駐車料金が気になる。そろそろ撤収しよう。時計と駐車券を見ると、間もなく次の加算される時間になる。ここからなら急げば間に合うはず。いや、何が何でも間に合わせるぞ。疲労で重たくなった足を頑張って動かし、急いで駐車場へ向かうのだった。

旅人が歩けばわんにゃんに出会う
尾道にゃんこ編
#2 桜の季節の尾道にゃんこ(2019年4月)
#3 続・桜の季節の尾道にゃんこ(21'4) につづく Next Page
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