尾道にゃんこ#7-1
わんこと尾道にゃんこ 前編
(2022年11月)
紅葉の時期のチワワ連れでの尾道散策と、その時に出会ったニャンコたちのスケッチです。(*全2ページ)
§1、イントロダクション ~広島の紅葉と御調八幡宮の子猫~
広島県の紅葉スポットといえば・・・。社団法人日本観光協会が公表している日本の紅葉100選では、宮島の紅葉谷、安芸太田町の三段峡、府中市の三郎の滝の三カ所が選ばれている。
この他、縮景園や三景園などの庭園。帝釈峡や温井ダム、尾関山公園なども広く知られているだろうか。広島県は広大な中国山地を擁しているので、紅葉スポットには事欠かないのだが、全国にその名を轟かすほどの紅葉スポットは見当たらないように思う。
私的にお勧めなのは、大銀杏。筒賀の大銀杏、香淀の大銀杏、上高野山の乳下り銀杏といった何百年もの時を過ごした大銀杏は、とても荘厳な雰囲気を醸し出していて、遠方からでも訪れる価値があるのではないかと思う。
広島の紅葉スポットで、比較的よく名が挙がるのが、佛通寺。三原市の北西の山の中にある臨済宗の禅刹で、モミジの紅葉が美しいことで知られている。
地域のニュースなどに登場するし、情報サイトなどでもよく名を見るので、前々から訪れたいと思っていたが、なかなか訪れる機会がなかった。
コロナ禍も落ち着いたし、今回、満を持して訪問してみることにした。訪問にあたっては、今年の夏の終わりに6匹目の愛犬として迎えた黒白チワワを一緒に連れていくことにした。
まだ旅のお供犬としては見習い中だが、少しづつ慣らしていけば先代のような旅ワンコになってくれるかもしれない・・・。
で、佛通寺を訪れてみた感想としては、期待が大き過ぎたせいか、感動的・・・、とはならなかった。アクセス面や駐車料金や拝観料がかかることを考えると、遥々遠方から訪れるほどでもないかな・・・といった渋めの感想。
私的には、モミジだと三次の尾関山公園がお勧めかな。ワンコ連れの人なら、無料のドッグランがある「ひろしま遊学の森 広島県緑化センター(東区)」と、「花みどり公園(安佐北区)」がお勧め。ここは紅葉も楽しめ、犬も走り回れる。
佛通寺の後は、そのまま東へ進んで行き、御調八幡宮に立ち寄った。ここには佛通寺ほどではないが、少しモミジがあり、いい感じに紅葉していた。何より駐車場が無料で、人がいないのがいい。
御調八幡宮の境内を一回りし、駐車場に戻ろうとしていると、背後になにか気配を感じる。振り返ると、首輪をした可愛らしい子猫が我々を尾行していた。
立ち止まると、子猫さんは恐る恐るこっちへ近づいてきた。どうもチワワが気になってしょうがないようだ。差し足、忍び足といった感じで、ゆっくりとチワワのそばまでやってくるものの、敵なのか、同じ仲間なのか判断が付かないようで、可愛らしく威嚇をし始めた。
近所に野良猫が多いのもあって、我が家のチワワは野良猫にとても慣れている。吠えたり、攻撃的になることはない。
子猫さんはチワワの友好的な態度に安心したようで、威嚇をやめ、興味津々といった感じで、様子をうかがい始めた。
友達になれそうかな・・・。近づいても大丈夫かな・・・。一緒に遊びたいな・・・。でも、怖いな・・・。そんな感じで、何度か腰を浮かせて近づこうとしていたが、決心がつかないようだった。
子猫さんともっと遊んでいたいが、この後は尾道へにゃんこと夕日を見に行く予定。遅くなると、夕日の時間に間に合わなくなってしまう。お暇することにした。
振り返ると、子猫さんがジッとこっちを見ている。なんだか寂しそう・・・。そんな表情をされると、こっちも名残惜しい。
§2、商店街のニャンコとチワワ
御調八幡宮を後にすると、尾道へ向かった。今日は夕日の時間までの散策なので、滞在は2時間ほど。市役所の駐車場に止めた。
時間がもったいないので、早速、ワンコを連れて散策開始。犬も歩けば猫にあたる・・・かも。と、犬任せに歩いてみるのだが、大通りばかりを歩いていくので、猫に遭遇しない。しょうがないので、本通り商店街を抜けて、まずは熊野神社へ行ってみることにした。
趣きのある築地小路を抜けて熊野神社へ。ここだけ京風といった雰囲気があって好きだ。尾道散歩記念ということで、チワワの記念写真。
趣きのある築地小路を抜けて熊野神社へ。神社前の階段にトラ柄とサビ柄が混じった感じの猫さんがいた。
前回ここにいた猫とは違うな・・・。この猫に出会うのは、たぶん初めて。傍に行こうとしたら、チワワを見て逃げ出してしまった。
すぐに前回いた人懐っこい猫もやってきた。最初は「人間が来たぞ・・・。何かもらえないかな・・・」というような、ほのぼのとした表情で歩いていたが、チワワを見つけると、「おっ新参者がいる!」といった、きりっとした表情に変わった。
チワワが気になるようで、猫さんは傍に寄って来たが、初対面であまり近づけさせるのもよくない。何かの拍子に猫パンチを食らったら大変なので、少し引き離す。
チワワを飼っている人は経験があると思うが、小さな子供によく猫と間違われる。猫から見たらチワワはどう見えるのだろうか。明らかに犬だと分かるのだろうか。それとも、自分と同じ種類、或いは似た種類だと感じるのだろうか。そのへんはとても気になる。
井戸の上で考える猫さん。猫だと思って近寄ってみたのだが、あいつなんか変だぞ。犬ってやつなんじゃないか・・・。そんな事を考えている表情に思える。
それでもチワワが気になるようで、帰ろうとすると、本通りの商店街まで付いてきてしまった。
飲み屋街へ足を運ぶと、塀の上からこちらを伺う猫さんに遭遇。鉢植えと並んでいる様子はまるで置物の様。なかなか絵になっているのだが、その表情は渋い。
その理由はチワワ。どうにも気になる。というよりは、気に入らないといった感じ。
この猫の顔を見ると、「観光客のおじさん。尾道は猫の町じゃけ~、犬なんて連れてきんさんな。」と、怒られている気分になる。
ビルの水道メーターが並んでいる場所でくつろぐ猫さん。この猫さんはチワワを見ても特に反応がない。というより、なんだか具合が悪そう・・・。もしくは目が悪いのかな・・・。元気がない猫を見ると、あれこれと心配になるが、通りすがりの旅人は何もできない・・・。