旅人が歩けばわんにゃんに出会う タイトル

尾道にゃんこ#8-3
冬の朝の尾道にゃんこ その3
(2023年1月)

冬の朝の尾道散策と、その時に出会ったニャンコたちのスケッチです。(*全4ページ)

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§4、崖地の散策

広島市内 車に乗るチワワを眺める猫の写真
チワワさん、車に乗るのは楽しいですか?(広島市内)

今回も前回の秋に訪れたときと同様に、チワワを車に乗せて連れてきた。早朝は寒いし、長い時間、冷たい路面の上を歩かせると肉球がしもやけになりそうだし、桟橋付近では邪魔になりそうだしと、早朝の散策中は車で待機させていた。

桟橋などの散策を終え、一旦車に戻ると、今度はチワワを連れて崖地の散策に向かうことにした。冬は犬とのドライブには向かない。いやいや、冬は寒いけど、服を着せたり、毛布などを積んでおけば、温度の管理がしやすく、温かい時期に比べると、犬を連れての移動は楽だったりする。

尾道 冬の朝の御袖天満宮の境内の写真
御袖天満宮の境内

まずは私の定番散策スポットになっている御袖天満宮へ向かった。今日は猫はいるだろうか・・・。期待しながら訪れるものの、残念ながら猫の姿はなかった。猫との出会いはなかったけど、いい景色との出会いはあり、淡い感じの朝日が差し込む境内の様子はなかなか素敵だった。

尾道 ビニールシートにたまった水を飲む様子の写真
ビニールシートにたまった水を飲む様子

冬はなかなか猫に出会えないものだな・・・。ちょっとがっかりしつつ、ワンコと参道を下っていると、参道の途中にある境内社、桃咲稲荷神社の方からカサカサと茂みを歩くような音がしてくる。

んっ、猫がいるのでは・・・。音のする方へ行ってみると、2匹の太った猫がビニールシートに溜まった雨水を飲んでいた。

でも、なんか変。猫にしてはずんぐりと太り過ぎ・・・。いや、あの太い足と、丸まった尻尾は猫のものではなく、犬のものではないのか。って、まさかの野良犬・・・。

尾道 二匹の子犬の写真
二匹の子犬

よく見ると、間違いなく犬。ベージュと黒の子犬だ。きっと雑種になるのだろう。子犬たちは私の姿に気が付くと、慌てて逃げようとするのだが、チワワを見つけると、仲間だ~ってな感じで、尻尾を振りながらこっちへ向かってきた。

チワワに近づけさせていいのだろうか。いや、よくないに違いない・・・。病気をもらったりするかもしれない・・・。野良猫はよくて、野良犬は悪い。というわけではないが、想定外の出来事に頭の思考が追い付かない。

尾道 階段を駆け上がっていくワンコの写真
階段を駆け上がっていくワンコ

どうしよう。どうしよう。と焦っていると、母親らしき犬が少し離れた階段の上に現れた。まずい、子供を守るために襲ってくるかも・・・。と思う間もなく、私とチワワの姿を見つけるなり、子供のことなど気にせず、一目散に逃げていった。

で、子犬たちも、お母さん待ってよ・・・といった感じで、走って去っていった。いや、ビックリした。まさか猫の町、尾道で野良犬に出会うとは思ってもいなかった・・・。

尾道 生活ゴミの運搬の様子の写真
生活ゴミの運搬

気を取り直して、散策を再開。御袖天満宮からはいつも通りに猫の細道へ向かった。

歩いていると、目の前をゴミを担いだ人が歩いていた。今までゴミの収集はどうするのだろう。階段を上り下りして、各々が収集車が入ってこれる収集場所まで持って行っているのだろうか。漠然と疑問に感じていたが、今日、その謎が解けた。

当番の人なのか、業者かわからないが、まとめてゴミを収集場所へ担いで運んでいるのだ。その様子を見ると、改めて暮らすには大変な場所なんだなと感じてしまう。

尾道 猫の細道とチワワの写真
猫の細道とチワワ

いつも通り、猫の細道から千光寺山を登っていった。千光寺山は標高136.6m。エジプトの大ピラミッドとほぼ同じ高さがある。そこそこの高さがあるし、海側は傾斜がきついので、山頂まではどのルートを選んでもきつい上り坂を登らなければならない。

歩いていて楽しい道なら、辛さが幾分紛れるというもの。なので、猫の細道から登っていくルートを選ぶことが多い。

千光寺山山頂へは、ロープウェイを使って楽に行くこともできる。その対価として、片道だと500円。往復だと700円。払わなければならない。時間の節約、体力などを考慮して、それに見合うなら乗ればいいと思う。

料金を見ると、往復だとかなりお得に感じるが、多くの人は登りだけ使用し、下りは歩いて降りている。なので、空気を運ぶぐらいなら・・・といった感じで、こういう弱気な値段設定にせざるを得ないのだろう。

ちなみにペットの乗車も可能。頭が隠れるキャリーケースなどの使用が必須となるが、持参していなくても無料で貸し出してくれる。

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猫の細道を登っていき、三重塔の後ろを通り、千光寺道へ。この付近でよく猫に出会うが、今日はここでも猫に出会わない。タイミングが悪かったのか、冬だからなのかはわからない。

この場所は散策の分岐ポイントでもある。ここから崖伝いに横(水平)に移動するか、商店街の方へ下っていくか、千光寺や山頂へ登っていくか、この三択で選ぶことができる。

三択の選択肢のイメージ(*イラスト:RLさん)

(*イラスト:RLさん 無料イラスト【イラストAC】

今日は時間もあるし、暑くないし、山頂の展望台まで行ってみるかと、そのまま階段を登っていくことにした。

登っていくと、千光寺境内の入り口に到着。ここに立札があり、他の参拝客に配慮しペットは抱いてくださいとあった。ここまで犬を連れてきたのは初めてだったので知らなかった。

犬を連れて旅していて困る事の一つが、お寺や神社。手放しでウェルカムというところは少ないかもしれないが、それぞれの寺社の事情により、ペットの扱いについてルールを決めているので、それに従わないといけない。

なので、ペットの侵入を禁止している場合、犬を連れていては中に入ることができなく、せっかく訪れたのに残念・・・となってしまうこともある。一度車に戻り、犬を車で留守番させるという手もあるが、駐車場が遠いとそんな気にならない。

ここ千光寺の場合は各地から人が集まる観光地ということもあり、中間的な立場。ペットにも配慮してくれていると言える。とはいえ、我が家の犬のように小さく、体重も2キロちょっとだとそんなに問題にならないが、柴犬クラスになると、抱っこして階段を登るのは大変だ。

尾道 鼓岩の上でチワワの記念撮影の写真
鼓岩の上で

チワワを抱っこして登っていくが、手がふさがるので登りにくいし、写真を撮ったりすることが難しい。千光寺境内を通り抜け、文学の道を登っていこうと思っていたが、計画を変更。

すぐに境内から脱出し、ちょっと遠回りになるが、眺めのいい鼓岩がある道から登っていくことにした。鼓岩は眺めのいい岩というだけではなく、その名の通り岩を叩くとポンポン音がする。岩の上でハンマーが置いてあるので、叩いてみるといい。

この太鼓岩周辺でも猫臭がする場所があり、気にかけながら歩いてみるものの、猫の姿を見つけることはできなかった。

尾道 山頂展望台とチワワの写真
山頂展望台(高いところは苦手・・・)

ワンコとともに若干息を切らしながら山頂に登っていき、山頂にある展望台へ到着。たどり着くことに価値があるってなもので、展望台のデッキへたどり着いてみると、満足感で一杯。ワンコの方は地面がつるつるして歩き心地が悪いのか、対照的にあまりうれしくなさそう・・・。

冬とはいえ130mを自力で登ってきたので、身体が熱くて汗ばむ。ロープウェイで登ってきた人達が、「寒い」「風が冷たい」などと言っていると、横目に「このおっさんとチワワのコンビは、君たちとやる気が違うんだよ」などと、勝手に優越感に浸っていたりして・・・。

尾道 山頂展望台からの眺め 少しもやった感じの尾道の市街地と尾道水道、そして瀬戸内の島々の写真
山頂展望台からの眺め

展望台からの眺めは、微妙。桟橋で朝日を見ているときから少しもやった感じがしていたが、標高の高い展望台から見ると、けっこう広い範囲に靄が広がっているのが分かる。

こういう霞んだ感じも山水画みたいで情緒があっていいかも。とはいえ、やっぱり晴れた日に訪れるほうが感動的となるだろう。

尾道 扉の前で待つ猫の写真
扉の前で待つ猫

展望台からは美術館の方へ降りていき、そのまま千光寺公園を西へ横切り、尾道城跡の展望台へ向かった。

その途中でニャンコを発見。扉の前でジッと家主が出てくるのを待っている。猫あるあるの出待ちってやつだ。朝だぞ。食べるものをくれ。ってなやつかな。

尾道 チワワか、邪魔するなよ こっちを見つめる猫の写真
チワワか、邪魔するなよ

チワワを連れてその横を通っていくが、それどころではないといった感じで、この猫さんはあまりこっちの方を気にする様子はない。

猫の前方に行くと、ん、なんかいるぞ・・・といった表情に変わり、チワワに気が付くのだが、他の猫に比べると、あまり関心がなさそう。

顔を伺うに、あんな小さくひょろっとした奴なら、必殺の猫パンチでノックアウトできる、といった感じだろうか。

尾道 朝露に濡れる尾道城跡の展望台の写真
朝露に濡れる尾道城跡の展望台

さらに進み、尾道城跡の展望台に到着。石垣の上の展望デッキに上がってみるのだが、床は朝露でビシャビシャ。凍っていないだけましといった感じ。

この展望台は、雨の日は階段や通路がビシャビシャとなり、床は水溜まりのようになるといったひどい状態になる。ほんと、欠陥展望台と言ってもいいと思う。

尾道 尾道城跡の展望台からの眺め 渡船が運行している様子の写真
尾道城跡の展望台からの眺め

ただ、ここからの眺めは抜群。駅方面や渡船を見るなら、山頂の展望台よりもこっちの方が断然いい。キラキラと光る海を渡船が進む様子はとても素敵だった。

尾道 西土堂のお洒落なお宅の写真
西土堂のお洒落なお宅

尾道城跡の展望台からは坂を下っていった。土堂小学校付近まで降りると、この付近を少し散策。

尾道で一番最初に猫に出会ったのがこの付近。またあの時の猫に会えないだろうか。猫を探しながら歩き回るものの、全く猫に出会わない。猫の数が減ってしまったようで、昔のようにちょっと歩けば猫に出会うといった感じではない。

尾道 空き地にいた黒白の猫の写真
空き地にいた黒白の猫

猫もいないし、戻ろう。千光寺新道の方へ向かって崖地を平行移動しながら戻っていくことにした。そして歩いていると、住宅を撤去した空き地で黒白の猫を発見。

もしかして一番最初に出会ったあの黒白猫ではないだろうか。最初、そう思ってトキメクのだが、よく見るとちょっと雰囲気が違う。

尾道 歩み寄ってきた黒白猫さんの写真
何か御用 歩み寄ってきた黒白猫さん

立ち止まっていると、猫はこちらに向かってきた。写真を撮ろうとしゃがむと、更に近くまで寄ってきた。改めて近くで見ると、やっぱり最初に出会った猫とは違う。残念。あの猫は元気にしているのだろうか・・・。

実は、この場所に来る手前の通路が濡れていて、この時はチワワを抱っこしていた。チワワを抱っこしていては写真が撮りにくい。地面に降ろすと、慌てて猫は逃げてしまった。

チワワのことを気にしていなかったのではなく、チワワが全く見えていなかったようだ。せっかく寄って来てくれた猫さんに悪いことをしてしまった・・・。

尾道 見慣れない何かがいるぞ! 警戒する猫さんの写真
見慣れない何かがいるぞ!

崖伝いに千光寺新道の方へ向かって歩いていくと、西土堂ポケットパークに到着。ここは猫スポットの一つ。猫はいないかなと立ち寄ってみると、横の階段のところに猫がいた。

この猫さんはチワワを見つけると、即警戒モード。目つきは鋭く、いつでも逃げられる体勢をとっていた。

尾道 状況が呑み込めないチワワの写真
状況が呑み込めないチワワ
尾道 警戒中 姿勢を低くし、警戒している猫の写真
警戒中

チワワを連れていては猫が逃げてしまう。チワワを置いて、私だけそばに行ってみるが、どうもチワワが気になってしょうがない模様。こっちを向いてくれない。

尾道 朝日を浴びながら落ち着く猫さんの写真
朝日を浴びながら落ち着く猫さん

さっきは抱っこしていたら猫は気が付かなかった。抱っこしてみるか。と、チワワを抱っこすると、猫さんは警戒ポーズを解除し、顔つきも安心した表情になった。

そんなものなのか・・・。よくわからないが、猫ってあまり目がよくないのかな。犬だったらこういうことにはならないはずなんだけど・・・。

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