尾道にゃんこ#4-2
夏休みの尾道にゃんこ 後編
(2021年8月)
夏休み期間中の尾道散策と、その時に出会ったニャンコたちのスケッチです。(*全2ページ)
§3、本通り商店街のにゃんこ
猫の細道を抜け、天寧寺三重塔と尾道水道が見渡せる展望スポットへたどり着いた。ここで写真を撮った後は、この上にある千光寺へ。と思っていたのだが、子供たちは「足が疲れたからもう歩きたくない」と言う。
最近の子供たちは・・・と年寄りっぽく呟くが、コロナ禍で子供たちの体力が衰えているとも聞くので、しょうがないのかもしれない。
予定を変更して千光寺通りの階段を下り、東土堂ポケットパークへ。ここは猫のたまり場として知られている。ちょっと覗いてみるものの、前回同様に猫はいなかった。春に起きた猫切りつけ事件以降、いつでも猫に出会える猫スポットではなくなってしまったようだ。
今日も猫はいないな・・・。去ろうとしていると、路地の奥くから猫さんがこっちに向かって歩いてきた。人の姿を見つけて、おねだりに来たのかな・・・。
きっとここにやって来るだろう。期待して待つのだが、私たちの姿を見つけると、ちょっと考える仕草をし、脇道に入ってしまった。そっちへ行ってもいいことはなさそうだな・・・、と思われてしまったようだ。
千光寺通りを下り、本通り商店街へ。子供たちが上に登りたがらなかったのは、階段に疲れたのもあるが、千光寺通りを下った先にあるクレープ店に早く行きたかったから。何でもメディアに登場するほど有名なお店らしい。
早速、列に並ぶものの、注文が入ってから果物を切って作るのが、この店の売りのようで、出来上がるまで時間がかかるそうだ。で、待っている間暇なので、商店街をブラブラとしてみることにした。
というより、商店街を堂々と歩く猫の姿を見つけたので、猫の相手をしながら時間をつぶすことにした。
ニャンコさんは、落ち着ける場所を探していたのか、何か探し物があったのか、その辺の事情は分からないが、商店街をウロウロし、結局、元居た八百屋さんの店先に戻り、くつろぎモードに入ってしまった。
このように商店街を猫がウロウロしている様子は、実に尾道らしくていい。暮らしている人には迷惑かもしれないが、非日常を求める観光客からしてみれば、わざわざ尾道を訪れたかいがあった、と思えるような光景になる。
奥の方を見たらもう一匹猫を発見。机の下からこっちを伺うように見ていた。それにしても・・・、ここは周囲の雰囲気、そして置いてあるアイテムから、凄まじい昭和臭を感じる。
ビビりさんなのかな。近づくと逃げてしまいそうなので、通路の反対側で観察してみた。
錆びた古い机と段ボールの間にすっぽりと挟まりながら、こっちを伺っている。餌や水の器があるところを見ると、ここで暮らしているのか、居場所のうちの一つなのだろう。
それにしてもやっぱり昭和ってな雰囲気が凄い・・・。
ジッとこっちを見つめる猫。ひどく警戒されている。邪魔しては悪いから立ち去ろうと、腰を上げたら餌を食べ始めた。えっ、このタイミングで・・・。何か違和感のある展開。
どっちにしても邪魔して悪いと、立ち去ると、やはりこっちを見つめている。その表情はもう行っちゃうの・・・といった、何か物欲し気な様子。
何だそういう事か。私から餌以外のおいしそうな物をもらえることを期待していたんだな。きっと。う~ん、猫さんの表情はつかみにくい。
他に猫さんがいないかと商店街をウロウロしていると、自転車に乗った女子高校生の集団がやって来た。尾道では9月1日ではなく、8月の終わりから2学期が始まるようだ。
それよりも、レトロなアーケード商店街が自転車の通学路になっていることに驚く。更には、みんなスカートが全開でめくれ上がりながら疾走していて、唖然とする。昭和っていうか、なんかビーバップハイスクールってな世界観。
東京から広島に引っ越してきて驚くのが、制服のスカートがめくれあがっても気にせず、短パン丸出しで自転車をこいでいる女子高生が多いこと。こちらでは当たり前の日常の光景となっている。
広島では当たり前でも東京ではそうではないし、もっというなら海外ではありえないという国もある。尾道や広島のためにも、せめて観光客の多い商店街ぐらいは、上品に走ってもらいたい・・・と、願ってやまない。
尾道の散策を終えると、広島空港へ。昨年ほどではないが、この夏も飛行機の減便が多い。しかも明日から非常事態宣言が出される。空港内は8月とは思えないほど閑散としていた。
搭乗手続きを行うためにカウンターに向かうも、ここもガラガラ。あっという間に手続きが終了。後で聞くと、飛行機内も数えられるほどの乗客しか乗っていなかったそうだ。
尾道にゃんこ編
#4 夏休みの尾道にゃんこ(2021年8月) #5 豪雨の日の尾道にゃんこ(22'7) につづく