旅人が歩けばわんにゃんに出会う タイトル

尾道にゃんこ#7-2
わんこと尾道にゃんこ 後編
(2022年11月)

紅葉の時期のチワワ連れでの尾道散策と、その時に出会ったニャンコたちのスケッチです。(*全2ページ)

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§3、ワンコと崖地の散策

尾道 御袖天満宮の階段の写真
御袖天満宮の階段

飲み屋街を抜け、線路と国道を越え、崖地エリアへ。まずは私の猫散策の定番コースになっている御袖天満宮へやってきた。ここは映画「転校生」の有名なロケ地。主人公が階段から転げ落ちて、中身が入れ替わってしまうといった重要な場面で使われている。

そのことが頭にあると、何かの拍子に飼い主と飼い犬の立場が入れ替わってしまったらどうしよう・・・などと、SFのようなことが頭をよぎる。

そんなことを考えられるのも、愛犬と一緒に階段を登っているからこそ。一人で歩いているときには感じないので、愛犬との散策の醍醐味ってやつになるだろう。

このチワワは、先代が亡くなった後、また飼いたい・・・。もう飼いたくない・・・。と、2年間、迷いに迷って迎えた。こうして御袖天満宮の階段を一緒に登っていると、わんこと一緒に旅している実感がわいてくると同時に、再びわんこを飼ってよかった・・・と、色々とこみ上げてくるものがある。

尾道 御袖天満宮の随神門の写真
御袖天満宮の随神門と白猫

階段を登っている途中のこと。今日は随神門の前にさりげない感じで白猫がいた。よく風景に馴染んでいて、まるで神の使い・・・というのは大袈裟だけど、ちょっと神秘的なオーラを感じる。

尾道 御袖天満宮 猫の見張りの写真
猫の見張り

白猫も気になるが、頭上からも突き刺さる視線を感じる。随神門の横にはトイレのある小さなスペースがあり、そこから見下ろすように猫がこっちを見張っているのだ。

尾道 御袖天満宮 シュールな像とにゃんこの写真
シュールな像とにゃんこ

鋭い視線を送る猫の背後には、重い荷物を担いでいる人の像がある。なんともアンバランスというか、シュールな図。

尾道 御袖天満宮 貫録のある睨みの写真
貫録のある睨み

近づいてズームで撮ってみる。なかなか貫禄のある睨みで、「おい、そこのチワワ。ここは俺たちの縄張りじゃ。ちゃんと挨拶してから通らんかい。」と、顔でしっかり語っている。

尾道 御袖天満宮 石灯籠前でこちらを見る白猫の写真
石灯籠前の白猫

貫録のある猫さんに「お参りに来たので、通らせてください。」と挨拶し、先に進むと、今度は白猫さんと対峙。この白猫さんは初めて見る。

白猫さんは落ち着いた表情でこっちをじっと見つめている。石灯篭前で佇むその姿は、まるで神社を守る狛犬のよう・・・。白い馬が神の乗り物とされているように、白いキツネが稲荷様の使いとされているように、白い猫が神社にいると、神の化身のように見えてしまう。

尾道 御袖天満宮 白猫さんとチワワの写真
白猫さんとチワワ

白猫さんはチワワが階段を登ってきても動じない。ここで犬を散歩している地元の人を何度か見かけたので、きっと猫も犬に慣れているのだろう。

チワワは尾道の町並みや猫に慣れてきたのか、白猫が気に入ったのか、傍に行きたそうにするけど、白猫さんの方は全く興味がなさそう。

神の使いかもしれない白猫さんを怒らせてしまうと、天神様のバチが当たってしまうかもしれない。お騒がせしました・・・と、何事もなかったように素通りしていく。

尾道 御袖天満宮の階段を降りようとしているチワワの写真
御袖天満宮の階段とチワワ

二匹の猫に守られた参道を無事に通過し、55段の立派な石段を登っていくと、拝殿にたどり着いた。せっかくなのでお参りしていこう。チワワとともに本日の旅の無事をお祈りした。

チワワと身体が入れ替わったら大変なことになるので、慎重に階段を下ると、白猫さんはもういなくなっていた。本日の門番のお勤めが終わったといったところだろうか。我々が最後の参拝客だったのかな・・・。

尾道 猫の細道 チワワと階段に描かれた猫の顔の写真
猫の細道 チワワと猫の顔

御袖天満宮を後にすると、ロープウェイ駅の方へ向かい、猫の細道から千光寺山の崖地を登っていった。これも私の定番コースとなっている。

今日は小さなチワワと一緒。ここの階段は段差が不規則で、高さのある場所もある。ちゃんと階段を登れるだろうか・・・と、少し心配していたが、元気のいいチワワなので、何も問題はなかった。というより、軽い体を活かしてスイスイと上がっていく。飼い主の方が引っ張られてしんどい・・・。

尾道 ロープウェイとニャンコの写真
ロープウェイとニャンコ

猫の細道を登っていき、石碑のある展望スポットへ到着。ここに猫がいたので、ロープウェイとニャンコの写真を撮ってみる。えっ、猫が見当たらないって。いやいや、ちゃんといるのだ。

尾道 迷彩色にゃんこの写真
迷彩色にゃんこ

一つ上の写真の猫は、石碑の台座部分にいる。この猫は色が黒っぽいまだらで、石碑と同化していた。その様子は、まるでカメレオンにゃんこ。町並みに紛れるのに、まだらな黒はいい迷彩色になりそう。

この迷彩色にゃんこは、性格もかなり用心深いようで、ずっとチワワを細い目で睨んでいた。石碑に鋭い眼が引っ付いているかのようで、ちょっと怖い・・・。

尾道 階段で立ち止まる黒猫さんの写真
階段で固まる黒猫さん

階段を下りている途中で、チワワの存在に気が付き、固まってしまう黒猫さん。「なんじゃ、あれ。変な生き物がいるぞ・・・」といった表情。

尾道 気になる黒猫さんの写真
気になる黒猫さん

おい、おまえ、猫ではないな。何者だ。といった感じで、どうにもチワワが気になる黒猫さん。黒い顔から目が鋭く光っている様子が、とても素敵。まるで忍者の様・・・。

尾道 塀の上で憐れむ眼差しをする猫さんの写真
塀の上で憐れむ眼差しをする猫さん

なんと珍妙な・・・。こんな猫の出来損ないのような生き物が存在するとは・・・。憐みのような眼差しを塀の上から送る猫さん。

§4、尾道水道の夕日と夕暮れ時のにゃんこ

尾道 夕暮れの桟橋で渡船を待つ人々の写真
夕暮れの桟橋

夕日の時間になったので、崖地から尾道水道沿いに降りていった。桟橋では帰宅する学生などが、渡船の到着を待っていた。

今日は少し大気中の埃が多いようで、少しもやった感じがする。空気が澄んだ日よりも、こういった気象条件の方が太陽の光が抑えられ、夕日がきれいに見えることが多い。

尾道 夕日とチワワの写真
夕日とチワワ

尾道水道に沈む夕日とチワワ。猫や急な階段は平気だったけど、堤防の上は居心地が悪い模様。尻尾が下がりっぱなしで、歩き方もぎこちない。以前に飼っていたチワワとは性格が全然違うので、戸惑うことばかり。

尾道 尾道水道に沈む夕日の写真
尾道水道に沈む夕日

この時期の夕日も素敵なのだが、もう少し太陽の位置が低くなる12月中旬から1月中旬にかけての方が、もっと太陽が南側(左)に沈むので、よりいい感じになる。

きっと渡船に乗りながら見る夕日も素敵だろう。今日は犬を連れているので無理だけど、いつか挑戦してみたい。

尾道 八百屋の猫さんの写真
八百屋の猫さん

夕日を見終えたので、商店街を通って駐車場へ戻っていく。猫のいる八百屋さんの前を通ると、今日はカウンターの隅っこに猫さんがいた。

この猫は近づいてもあまり反応がない。普段からここで多くの人が通るのを眺めているので、犬も平気なのかもしれない。

尾道 段ボールの下から視線を送る猫の写真
気になる・・・

よく机の下にいる猫さんは、チワワが気になるようで、身を乗り出すようにして、こっちを見てくる。猫さんにしてみれば、見慣れない外国人が歩いているといった感じになるのだろうか。

尾道 段ボールの下から視線を送る猫と遠くからこっちを眺める猫の写真
気になる・・・×2

机の下にいる猫さんの相手をしていたら、カウンターにいた猫さんも気になるようで、こっちにやって来た。

自分たちの縄張りを荒らされるといった警戒感が主だとは思うが、この生き物はいったい何だろうといった好奇心を多分に含んだ表情にみえる。意外と猫は好奇心が旺盛である。

尾道 スポットライトを浴びる中にいるチワワと猫の写真
スポットライトを浴びる

夕闇迫る飲み屋街を通って、駐車場へ。照明の当たるビルの隅っこに馴染みの猫さんがいた。

いつもは目が合うと、すぐに寄って来るほど人懐っこい猫さんだが、今日はチワワを連れているので、寄ってこようとしない。チワワ連れだといい面もあるが、悪い面もある。これはしょうがない。

尾道 ネオン街の猫さんの写真
ネオン街の猫さん

夜の歓楽街に猫はよく似合う。と思うか、思わないかは、人それぞれだろう。人知れずひっそり生きている野良猫という存在を考えれば、夜の町の片隅で赤やピンクの照明に照らされながら黙々と生きている様子は、野良猫らしい気がする。

尾道 夕闇が迫る路地と猫さんの写真
夕闇が迫る路地と猫さん

本日最後の猫さん。路地に佇む様子が素敵だったので、何枚か写真を撮ったのだが、ピントがうまく合っていないうえに、ブレてしまった。

明るいうちは犬を連れていても問題なく写真を撮れていたが、暗くなると条件がシビアになるので、難易度がもの凄く上がる。暗くなったら熱中症の心配もないし、犬は車で留守番させておいた方がよさそうだ。

line

とまあ、今回チワワと尾道の町を歩いてみた。尾道の猫たちにチワワはなかなか好評・・・なのか、腫れもの的な存在になるのか、その辺は猫さんに聞いてみないとわからないけど、今まで歩いていた時よりも猫がこっちに関心を持ってくれ、写真を撮りやすかったように思う。

とはいえ、その表情はちょっと微妙。変顔の猫は撮りやすいというべきかもしれない。

でもまあ、猫さんにとっても、チワワにとっても、私にとっても、いつもとは違った刺激のある一日になって、それぞれ楽しく過ごせたのではないかなと、勝手に思ったりする。

旅人が歩けばわんにゃんに出会う
尾道にゃんこ編
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