旅人とわんこの日々 タイトル

旅人とわんこの日々
世田谷編 2004年Page8

ワンコのいる日常と旅についてつづった写真ブログです。

広告

10、屋久島ツーリング2 九州縦断(2004年6月中旬)

広島長崎間の地図(国土地理院地図)

国土地理院地図を書き込んで使用

広島の祖母の家で一日休み、旅支度を整えた後、九州へ向かって西進を開始。長崎に大学時代の友人がいるので、今日、目指すは長崎。

国道2号線を西へ向かって進んで行き、山口県へ。昨年もバイクで通っているので、今回は一気に通過。下関に到着すると、昨年同様にフェリーにバイクを載せ、九州に上陸した。

太宰府天満宮の写真
太宰府天満宮

九州に入ると、国道3号線を進んで行き、福岡を経由し、大宰府へ。大宰府といえば太宰府天満宮。菅原道真公を祀っている全国にある天神様の総本宮になる。

日本一の天満宮・・・。何やらありがたい雰囲気がするというか、お参りしていくと頭が良くなりそう・・・。せっかくだから寄って行こう。って、気まぐれにちょっと立ち寄り、小銭を賽銭箱に入れ、手を合わせただけで賢くなるのなら、人生、苦労はしない。

でもお参りしてみると、不思議と頭がよくなったような気分になる。これも天神様の威光というやつなのか・・・。遥々東京から来たかいがあったものだ。とまあ、素直な性格をしているほど、旅を楽しめるものである・・・。

吉野ケ里遺跡の写真
吉野ケ里遺跡

鳥栖で3号線に別れを告げて34号線を長崎方面へ。しばらく進むと吉野ケ里遺跡の案内板があった。今日のハイライトというか、今回の旅行で訪問を楽しみにしている場所の一つが、ここ吉野ケ里遺跡。

吉野ケ里遺跡は、弥生時代の集落遺跡になり、日本最大の集落遺跡と言われている。この周辺には広範囲にわたって集落の遺構が発見されていて、この吉野ケ里を中心に国が造られていたとされている。

とりわけ中国の歴史書「魏志倭人伝」に記された邪馬台国の描写に似ていて、ここが邪馬台国だったのではないかという部分に、歴史好きとしてはロマンを感じる。

吉野ケ里遺跡 北内郭の写真
吉野ケ里遺跡 北内郭
吉野ケ里遺跡 展示の人形の写真
吉野ケ里遺跡 展示の人形

遺跡は想像以上に広かった。まるでディズニーランドのよう。と書いても、大袈裟な。そんなはずあるか。と、しらけた返事が帰ってくると思うが、遺跡好きには的を得た表現となるだろう。

広い敷地内は、支配者のエリア、一般住居エリア、祭礼のエリア、市場や倉庫のエリア、墓地などと、テーマごとに分かれている。しかも縄文時代や弥生時代の遺跡というと、地面に溝や柱の跡があるだけで、分かりにくいといったものが多いが、ここでは復元された建物が多く、建物によっては人形が設置されているといった凝りよう。

中でも北内郭と名付けられているエリアには祭礼用の建物が並び、まるでもののけ姫の世界。とても見ごたえがあり、素晴らしい遺跡だった。

満足して吉野ケ里遺跡を後にすると、一路長崎へ。友人が仕事の終わる時間にギリギリ間に合って到着。友人とは昨年も会っているので、懐かしいような、懐かしくないような再会だった。

その晩は友人宅に泊めてもらい、乾杯。九州の人間は酒が強いから困る・・・。

友人と竜馬像の前での写真
友人と竜馬像の前で

翌日は友人の案内で長崎の市内観光。この日のために友人は張り切って有給休暇を取得していたりする。「わざわざ休まなくてもいいのに・・・。旅人なので風のように滞在し、風のように去っていくから」と言うと、「こういう時に使わないと使う機会がないんだ。せっかくだから2泊して行きなよ。」と言ってくれた。友とは有り難いものだ。

九州西部の地図(国土地理院地図)

国土地理院地図を書き込んで使用

友人宅に2泊した後は、屋久島へ向かって出発。長崎市内からだと島原半島を抜け、フェリーで有明海を横切って熊本に渡れば、かなりショートカットできる。

車に比べると、バイクは船に乗せる船賃が極端に安いので、積極的に船ルートを選択できる。高速道路もこれぐらい差があるとうれしいのだが・・・と、いつも思ってしまう。

それにしても・・・、宿泊の当てがあるからと長崎へ向かったのだが、改めて地図を見ると、かなりの寄り道をしたことになる。結果、宿泊費が浮くどころか、時間、ガソリン代など、失う方が多かったかもしれない・・・。

でも、旅は効率を重視しても面白くない。友に会えることが移動のモチベーションに大きな助けになった。彼のおかげで、東京から九州までの道のりが楽に感じられたのは確かだ。

雲仙地獄の写真
雲仙地獄

で、島原半島ではまず雲仙に立ち寄り、地獄めぐりをした。ここでは温泉と噴気が激しく噴出していて、まるで月面とか、異世界といった光景。まさに地獄の名がふさわしい。また、この世のものとは思えないほど強い硫黄臭がしていて、地獄感を強めている。

島原城の写真
島原城にて

フェリーの発着の港がある島原市では、フェリーの出発時間に合わせ、島原城や武家屋敷を見学。島原といえばキリスタン。そういった展示資料はなかなか見ごたえがあった。それよりも印象的だったのが、天守閣の傍まで車で行けること。せっかくなのでバイクとお城の写真を撮ってみた。なかなかこういう城はない。

田原坂での写真
田原坂で

フェリーで有明海を渡り、熊本に上陸した。熊本で最初に訪れたのは田原坂。ここは明治10年に始まった日本最後の内戦とされる西南戦争で、17昼夜にわたる戦闘が繰り広げられた激戦地になる。

鹿児島士族を率いるのは西郷隆盛。これから向かう鹿児島の英雄になる。「西郷どん。こいかあ鹿児島へ行っもすから。」ってな感じで、ここに来たことで、鹿児島へ向かう気持ちが徐々に盛り上がっていく。

熊本城の写真
熊本城

田原坂の後は熊本城へ。加藤清正が7年の歳月をかけ、心血を注いで築きあげた名城。西南戦争の際にかなりの部分が消失してしまったが、それでも官軍がここで籠城して守り抜いたというから、近代戦にも使えるほど堅牢な城だったようだ。

白鷺城と呼ばれている白い姫路城を見た後では、烏城と呼びたくなるような黒い外観。黒だと無粋さとか、迫力があり、これもまた素晴らしい。とはいえ・・・、この旅では多くの城を見てきたので、そろそろ城を見るのに飽きてきた・・・。

霊台橋の写真
霊台橋
通潤橋の写真
通潤橋

熊本城の後は、橋が好きなので、熊本の誇る石造りの橋、霊台橋、通潤橋、二俣橋などを見学して回った。海外では古い時代の石橋が多く残っているが、木造文化の日本ではあまりない。

木造の橋といえば岩国の錦帯橋が有名だ。木の組み方やアーチに繊細な美しさを感じる。その一方、こういった石橋は重厚感があり、迫力やら年季を感じる。どちらも素晴らしく、コンクリート製の橋だらけの現在の日本では、貴重な存在だ。

人吉城の写真
人吉城

石橋を見学した後は、少し雨に降られながら人吉へ。この付近で今回初のテント泊をしようと思ったのだが、テントを張るのにいい場所がない。

ウロウロと探し回った結果、仕方ないので人吉城にテントを張ろうと思ったら、再び小雨が降ってきてしまい、結局、東屋のベンチで寝袋にくるまって寝ることにした。野宿で雨はつらい・・・。

球泉洞の石筍の写真
球泉洞の石筍

翌日は人吉、巨大な鍾乳洞の球泉洞を見学した後は、海沿いに出て、小中高の教科書に必ずその名が載っている水俣を訪れてみた。

水俣病という公害で町が有名というのはなんとも悲しいが、今ではありふれた感じの町となっていて、ちょっと安心した。

私の母親は広島育ち。広島といえば原爆というイメージがまとわりつく。広島に暮らしていればそうでもないが、広島の外で暮らすと、広島出身だとわかると直ぐそういう話になるので、それが嫌でしょうがないとよく口にしている。

負の遺産を背負っている町というのは、町の風景や様子が元通りになっても、後々にまで悪い印象が残るので、色々と辛いものがある。

池田湖のいっしーとの写真
池田湖のいっしーと

水俣からはそのまま海沿いを南下していき、薩摩半島の南端へ。ここは武家屋敷と特攻隊基地のあった知覧、砂風呂で有名な指宿温泉、台風の報道で有名な枕崎、恐竜のいっしーがいるらしい池田湖などがある。

明日は朝の便で屋久島へ向かうので、鹿児島港近くの公園でテントを張り、一晩を明かすことにしたのだが、台風が近づいているようで、ちょっと天気が怪しい。雨や風の心配をしながらテント泊をしたので、あまり眠ることができなかった。

西郷どんの前での写真
西郷どんの前で

翌朝、フェリーに乗る前に西郷どんの前で記念撮影。上野公園にある西郷どんの像に馴染みがあると、足元に犬がいないことに違和感を感じてしまう。なんか物足りない・・・。

とはいえ、西郷どんの前で記念撮影終えると、遥々鹿児島までやって来たんだといった実感がこみ上げてくる。東京で暮らす人には物足りなさと満足感を併せ持つ、不思議な魅力を持った像になるだろうか。

屋久島へのフェリーと桜島の写真
屋久島へのフェリーと桜島

今晩にかけて台風4号が屋久島の南を通過するらしく、空は分厚い雲が覆い、風も少しある。あまり積極的に船に乗りたいと思わない空模様だが、しょうがない。

鹿児島湾を抜けたら風で船が揺れ、船酔いしないだろうか・・・。乗船時間は約4時間あるので、酔ったらしんどいかも・・・。心配しながら船に乗り込んだのだが、それは無用の心配だった。ここのところのテント泊が続き、かなりの睡眠不足。2等船室の床にゴロンと横になったら、あっという間に深い眠りについてしまった。

旅人とわんこの日々
世田谷編 2004年Page8
2004年Page9につづく Next Page
広告
広告
広告