旅人とわんこの日々
世田谷編 2005年Page3
世田谷(砧公園)での犬との生活をつづった写真日記です。
4、コンピューターウィルス(2005年3月)

(*イラスト:イタチ◎さん 【イラストAC】)
インターネット元年と呼ばれ、世間にインターネットが広まり始めたのが、1995年になる。ただ、この頃は一部のマニアやゲーマー、先進性のある人達の間で広まり始めただけで、一般の人の間ではほとんど話題になることはなかった。
世間一般に広まったのはもうちょっと後の話で、一般の電話回線から専用のデジタル回線に変わり、劇的に利便性や通信速度が上がった1998年~2000年になる。
この頃には通信費の定額制が導入されたり、新規申込時にプロバイダーの強力な値引きキャンペーンが行われたり、高価だったパソコンの値段も少し落ち着くなど、費用面でも導入しやすくなったということも後押しした。

(*ジョナサン・D・カウルズとジェフ・ベッチャーがデザインした Microsoft の旗のロゴ, Public domain, via Wikimedia Commons)
バグが少なくなったWindows98や、より洗練されたWindows2000といったOSがパソコンに搭載されるようになったのもこの頃になる。
発売日当日の深夜に、少しでも人より早く求めようとする人の行列ができ、秋葉原がお祭り騒ぎになったのも記憶に新しい。最初に使ったパソコンにこれらのOSが入っていたという人が多いはずだ。
そして、パソコンのことは難しくてよくわからないけど、みんな持っているし、流行っているし・・・といった、右に倣えの国民性も加わり、爆発的にインタネットが世間に広まっていき、今ではすっかり社会にインターネットが浸透した。

(*イラスト:松本 松子さん 【イラストAC】)
最初は先進性とか、物珍しさ、ネットゲームといった興味本位で始めた人が多かったが、実際にインターネットを利用してみると、今まで図書館に行かないと分からなかった専門的な知識を簡単に手に入れることができたり、天気やニュース、お店の情報や、博物館などの施設の休館日や入場料などなどといった情報を手軽に手に入れることができたり、インターネットでショッピング、とりわけ専門店にしか置いていないような商品を購入できたりと、その便利さ、効率の良さに驚き、多くの人がインターネットのとりこになってしまった。
特に旅行に関しては、出発前に現地の天気を調べることができたり、イベントの情報や駐車場の場所、電車やバスの時間など、旅で不安になる要素を瞬時に調べられるので、とても心強い。また、出先で情報を得ることで、臨機応変に行動できたり、行動範囲が広がったりもする。

(*イラスト:acworksさん 【イラストAC】)
電子メールというのも画期的で、送ると地球の裏側でも瞬時に届いてしまう。しかも画像や文章ファイルも瞬時に送ることができてしまう。リアルタイムでチャット(文字会話のこと。映像での会話はもう少し後の時代)ができる部分も革新的で、一度インターネットの利便性に慣れてしまうと、もう手放せなくなってしまう。
最近では、年賀状を電子メールで済ませる人も増えているようで、配達する枚数が年々減っていると、年初めのニュースでやっていた。
インターネットの登場で予約がオンラインでできるようになったり、パソコンの画面を見ながらネットショッピングができてしまったり、様々な部分で世の中が変わっていくと感じるが、古くからある伝統的な文化なども、インタネットの登場により変化を余儀なくされそうな感じだ。

(*イラスト:松本 松子さん 【イラストAC】)
利便さが注目されがちだが、本来、インターネットの醍醐味というのは、ホームページやブログで情報交換したり、掲示板に書き込んだり、メールでやり取りしたりと、手軽に世界中の人とつながれるところにある。
とはいえ、言葉の問題があるので、簡単に世界中の人と繋がれるかというと、それは少々疑問ではある。ただ、言葉が分からなくても共感できるもの、例えば美しい景色の写真、音楽、アニメーション、ヌード写真などといった、芸術とか、クリエイティブとか、エッチな分野においては世界共通のつながりをみせている。
だが、その便利さ故に危険なことも多い。怪しい情報サイトや詐欺サイト、ダイレクトメールなどで騙されたり、犯罪に巻き込まれたりする事件も起きている。

(*イラスト:rayoutさん 【イラストAC】)
また、手軽さゆえにメールのやり取りで意思疎通がうまくいかず、友人などと不仲になったとか、匿名だからと相手のことを思いやらない書き込みをしたり、逆に誹謗中傷を受けるといったこともある。
インターネット上の問題とはいえ、詐欺とか、犯罪とか、コミュニケーションなどといった問題は、日常の理の延長のこと。常識的な考え方をしていれば、ほとんどのトラブルは回避できる。

(*イラスト:さしみのいそみさん 【イラストAC】)
インターネットで最も厄介なのはコンピューターウィルス。ウイルスというと、風邪やインフルエンザなどを連想すると思う。ウイルスが侵入すると、ウイルスによって体調を崩してしまい、場合によっては他の人にも移してしまうこともある。
コンピューターウィルスも似たようなもので、悪意あるプログラムが病原菌のようにパソコンに侵入すると、パソコン内の情報を盗んだり、データーを破壊してしまう。ウイルスの種類によっては、勝手に他者にメールを送信し、他のパソコンへウイルスを拡散してしまうこともある。
コンピューターウィルスはとても厄介で怖い存在だが、ちゃんとした知識や対策をしていれば防ぐことができる。
とはいえ、このちゃんとした知識というのが難しい。ただでさえパソコンには専門用語が多く、それを覚えるのだけでも苦労する。まして一気にパソコン人口が増え、初心者が大勢いる状況というのは、ウイルスというか、悪党にはさぞ快適な環境になるだろう。

(*イラスト:あっぷるんさん 【イラストAC】)
私の場合は、一応旅のホームページを世間に公開しているので、メールなどに対しては、しっかりと防御と対策を施していた。
それなりに知識があるから大丈夫。過信と油断。いや、魔がさしたというのが適切だろうか。海外のエッチなサイトをネットサーフィンしている時に、ウイルスの侵入を許してしまい、パソコンのデーターが消えていくという悪夢が起きてしまった。

(*イラスト:beepさん 【イラストAC】)
慌てて電源を切ってセーフティーモードで立ち上げ、ウイルスは駆除はしたものの、消えたデーターは元に戻らない。
ゲームのセーブデーターが消えたぐらいなら、また頑張ればいいか・・・となるのだが、書きかけのエッセイとか、昨年からデジカメで時々写真を撮るようになり、そのデーターの一部が消えてしまったのが痛い。

(*イラスト:なおだんごさん 【イラストAC】)
昨年訪れた屋久島や種子島の写真が・・・。後は何の写真があったけな・・・、バイクを整備しているときに適当に撮った写真もあったな・・・。色々と失ったものがフラッシュバックしてくる。
頭の中では分かっていても、実際にその状況になってみないと認識できないことはよくある。デジカメの場合だと、もしデーターが消えてしまったら何も残らないということは分かっていた。でもハードディスクはすぐに一杯になるし、バックアップ取るのも面倒だし・・・と、最初だけでやめてしまっていた。
でもこうしてデーターを失ってみると、あまりの損失の大きさに茫然自失。デジタルを扱う以上、セキュリティ対策も必要だが、バックアップをおろそかにしてはいけないんだなと、身に沁みて認識することができた。

(*イラスト:くらうど職人さん 【イラストAC】)
デジタルは怖いな・・・。もちろんフィルムでもネガを紛失したりするが、ネガか、プリントした写真のどちらかが残っていれば、何とかなる。この何も残らない部分が、デジタルの怖さとなるだろうか。
後で知るところによると、復元ソフトを使用すると、ある程度サルベージ(データー復元)できたようだ。
とはいえ、すぐにコンピューターウィルスを駆除しなければ、パソコンが全滅してしまう・・・ということで頭の中が一杯だったので、そこまで考える余裕がなかった。それに、この時代はまだあまり復元ソフトも優秀ではなかったので、どの程度復元できたかわからない。
まあ何にしても起きてしまったことはしょうがない。いい勉強とか、いい経験となったと、二度と同じ過ちを犯さないようにするしかない。
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