旅人とわんこの日々
世田谷編 2006年Page21
世田谷(砧公園)での犬との生活をつづった写真日記です。
29、クリスマス(2006年12月25日)
今日はクリスマス。今年は今日を含めてあと7日。間もなく終わっていく。今年は冬のオリンピックでイナバウアーが流行り、サッカーワールドカップではジダン選手の頭突きと中田選手が引退したのが印象的だった。
私的には今年は夏ごろまでグダグダとしていたと思ったら、秋には仕事を辞めてしまい、現在無職状態。元旦には人生初のバイクで初日の出を見に出かけ、今年は何かいい年になりそうな予感がしていたのだが、どうもその逆の結果となってしまったような気がする。
でもまあ、事故や災害などといった不可抗力ではなく、自分で選んだ人生の選択。特に後悔はない。しっかりとした足取りで自分らしい道を歩み続けるだけ。そのうち結果も伴ってくるだろう。
と強がってみるものの、内心では「来年は何とかしなければな・・・。このままだと崖から転落するように落ちぶれてしまうかも・・・」といった不安だらけ。来年は来年の風が吹く。きっといい風が吹いてくれるはず。そう願おう・・・。
とまあ、将来の不安はさておき、実は春から犬の写真を撮っていなかった。旅に熱を入れてばかりいるせいか、犬がいる生活に対して、感動とか、刺激がどんどんと薄くなっていく気がする。
そう、犬との暮らしは絵に描いた日常生活。非日常の性格を持つ旅とは対比する存在。旅をとれば犬が疎かに、犬をとれば旅が疎かになってしまう。それはしょうがないこと・・・。と、言い訳してみる。
最後ぐらいは何か犬の話題で締めくくろう。公園にでも行ってネタを仕入れてくるか・・・。いや、寒いし、わざわざ公園まで行くのも面倒だな・・・。そうだ。家族用のパソコンの中に何か適当な写真があるかも。
パソコンの写真フォルダーを物色してみると、サンタの格好をしたキャバリアを発見。クリスマスのネタにはちょうどいい。なかなかサンタ衣装が似合っている。チワワが一緒ではないところをみると、2002年の冬になるようだ。
この頃の妹は、初めて自分の犬を飼い始めたということもあって、色々と服を買いそろえていた。とはいえサンタのような季節性の強いものは、一度着せたら満足し、それっきりになっている。
そういえばチャーミーには一度も服を着せたことがないな。買ってあげたのはレインコートだけ。キャバリアに対抗して可愛らしい格好をさせてみるか。クリスマスだし。と、インターネットで調べてみたら、大型犬のものはビックリする値段がしていた。
買ってもサイズがちゃんと合うかどうかわからない。特に我が家の犬は毛むくじゃらなので、サイズ感が分かりにくい。それに、今まで一度も服を着せたことがないから、嫌がって着せるのが大変かもしれない。仮にちゃんと着せられたとしても、脱がせるときに静電気がバチバチとなってひどいことになるかも・・・。
結局、財布の中が寂しいので、販サイトの服を着せられてご機嫌な様子で写っている犬の写真を沢山眺めただけで、終了。チャーミー、着飾らなくてもそのままが似合っているよ。うん。
30、忘年会(2006年12月29日)
2003年に一緒に富士山に登り、本州最北端の青森大間岬へツーリングをした後輩から、「忘年会やりましょう」と、お誘いがあった。
彼は旅行会社に勤めているが、内心では仕事を辞めて私のようなユーラシア大陸横断をやりたいと模索していて、昨年の秋には、彼から本気でやってみようかと思っている旨を告げられた。
彼の中では私が背中を押してくれると思っていたのだろう。私が賛同せず、あまりいい反応をしなかったせいか、それ以降はこの話題を彼から話すことはなくなった。
仕事を辞めてユーラシア大陸をすることが、その人の人生にとっていいことなのか、悪いことなのか、それはやってみないとわからない。
ただ、仕事をやめ、長い期間海外に出ることになるので、大きく人生が変わるのは確か。失うものがなければやればいいと思うが、今の仕事を失いたくないと思っていたり、恋人がいるのなら、やらない方がいいような気がする。
何を優先するか。何を大事にするのか。そういった優先順位は本人しかわからない。悩んでいるということは、本人ですらよくわかっていないということでもある。
そんな不安定な時に、ユーラシア大陸横断の経験者である私がやみくもに背中を押してしまうと、彼が一気に安易な結論を出してしまいかねない。
彼なりに悩んでいるとは思うが、もっとしっかりと悩んで結論を出したほうが、旅に対する覚悟が芽生えるはず。特に旅がうまくいかなかったり、帰国後に人生につまづいた場合、自分がしっかりと考えて下した決断だといった自覚があれば、後悔が少なくなる。それは私自身の経験と現状からはっきり分かる。だから塩対応をしてしまった。
それ以降は、年も少し離れているのもあって、あまり積極的にこっちから連絡しないようにしていたが、今回、忘年会にかこつけて久しぶりに連絡があった。
電話の口ぶりから何か相談に乗ってほしいみたいだったので、もしかして旅に出る覚悟が決まり、その報告とか・・・。少々不安になりながら、待ち合わせの約束をしている三軒茶屋駅へ向かった。
三軒茶屋駅で合流した後は、東南アジアの国、タイ王国の料理店に向かった。なぜか三軒茶屋にはタイ料理店が多い。しかもそこまで値段が高くなく、味もまあまあおいしかったりする。
お互いにタイへは行ったことがあるので、食べたことのある料理を頼み、それをつまみにタイのビール、シンハービールで乾杯。
旅人同士での食事や飲み会をするときは、やっぱり異国の料理店だと盛り上がる。訪れたことのある国だと尚更で、思い出話に花が咲き、会話も弾む。
他愛のない会話から始まり、いよいよ本題。と、覚悟していたのだが、どうもユーラシア大陸横断の熱は少し冷めてしまったようで、今度別の部署に異動することになりましたとのこと。それに伴い今暮らしている世田谷のアパートから練馬のアパートへ引越しもするとのこと。どうやら仕事に熱を入れていくようだ。
今までは歩くにはしんどいが、ギリギリ歩けなくもない距離に彼の家があったが、今度は遠くになるので、会う機会も減ってしまうだろう。それはちょっと寂しいな。
でもまあ、諦めたとは言っていないが、ひとまず仕事に熱を入れ、しっかりと生活していくようなので、安心した。でも、肩透かしを食らったような気持もあり、ちょっと複雑な心境でもある・・・。
まあ、正直なところ、何が何でもユーラシア大陸横断をやるんだ!というような芯がしっかりとしているならともかく、グダグダと迷っているのなら、やらずに日本で無難に生きたほうが幸せになれるんじゃないの。と、外野から見ていると思ってしまう。
引越しは春になるらしく、それまでに10日ほど休みをもらえることになったので、どこかいい旅行先ありませんかと聞いてきた。
そうだな・・・。彼が訪れたことのない国だったらインドネシアとかいいかも。バリ島とか、その周辺の島を旅したら面白いと思うよ。と、インドネシアの旅の魅力をしゃべり続けると、すっかりその気になっていた。
で、帰り際、ちょっと寄って行っていいですかと、我が家に寄って行き、インドネシアのガイドブックを借りていっていいですかというので、貸してあげることにした。旅行中に色々書き込みをした大事なガイドブックなので、後で返してねと言ったのだが・・・。
世田谷編 2006年Page21 2007年につづく
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